COTレポート分析 2026年3月17日週
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COTレポート分析 2026年3月17日週

FX侍です、こんにちは。

3月も後半に入り、そろそろ桜の開花が気になる季節ですね。

日中はちょっと暑いぐらいなのに朝晩はまだひんやり。
寒暖差で体調を崩さないよう、お気をつけくださいね。

市場の方はイラン情勢は相変わらず。

トランプ大統領の発言はコロコロ変わるし、中東はエネルギー施設への攻撃など、目が離せないニュースが続く日々。

雰囲気的に戦闘の長期化が徐々に現実味を帯び始めている感じですかね…

 

さて、今週もCOTレポートの分析をお届けします。

は?COTってなんぞ?
という方は、以下の解説記事をご覧くださいませ。

 

今週のCOTハイライト

最新の2026年3月17日付COTレポートでは、EUR・CAD・AUDの通貨間で大幅な資金シフトが起きていたのが印象的です。

時期的に重なっていたイベントはこんな感じ。

・3/11 米CPI: 前年比+2.4%(コアは約5年ぶり低水準の+2.5%に鈍化)
・3/17 RBA会合(0.25%の利上げ)

RBAを皮切りに始まる中銀ウィーク(+イラン情勢)へ向けてのポジションとなります。

こうした状況で、特に注目すべきは以下の3点。

  1. EUR:Asset Managerが-71,761枚(約1兆6,500億円)と今年最大の激減。4週累計で-119,175枚(約2.7兆円)の巨額解消で、52週レンジの24%まで急落
  2. CAD:Asset Managerが52週最高値の69,512枚から-39,444枚(約4,580億円)の急反落。先週の天井到達から一気に利食いが発動
  3. AUD:Asset Managerが+18,600枚(約2,080億円)の大幅買い増しで52週最高値の41,929枚を更新。EURやCADからの資金シフトが鮮明に

 

推移をまとめた表がこちらです。

通貨 Asset Manager 前週比 Lev Money 前週比 注目度
DXY +10,757 +3,601 -5,615 +6,068
EUR +294,538 -71,761 -6,952 -12,183 ⭐⭐⭐
JPY -439 -3,270 -65,429 -16,210 ⭐⭐
GBP -95,958 +24,545 +11,768 -8,334 ⭐⭐
AUD +41,929 +18,600 +45,359 -1,209 ⭐⭐⭐
CAD +30,068 -39,444 -37,852 -693 ⭐⭐⭐
CHF -34,647 +19,716 +513 -3,767 ⭐⭐

Asset Manager = 年金基金や保険会社などの機関投資家。中長期のトレンドを反映しやすい。
Leveraged Money = ヘッジファンドなどの投機筋。短期的な値動きへの反応が早い。

 

先週比のポジション変化のグラフがこちらです。

▼カーソルを乗せると数値が表示されます

 

🗺 ヒートマップで見る直近の流れ

直近の変化がわかりやすいヒートマップがこちらです。

ヒートマップから読み取れるポイント

🔴 赤が目立つ通貨(ポジション縮小・売り方向)
・EUR Asset Mgr:4週連続の赤で、今週は-71,761枚と圧倒的に深い赤に。利食いの第1波(-18,412→-25,029枚)から一度減速した後の猛烈な第2波疑惑。
・CAD Asset Mgr:先週は+7,930枚の緑で52週最高値に到達していましたが、今週-39,444枚と一気に深い赤に急転。天井サインのパターン疑惑。
・JPY Lev Money:4週連続の深い赤で-16,210枚。ショートが-65,429枚まで拡大し、売り圧力が続く。

🟢 緑が目立つ通貨(ポジション拡大・買い方向)
・GBP Asset Mgr:前週の+5,044枚から今週+24,545枚と、買い戻しが一気に加速しています。52週最安値-125,547枚からの反転が本格化した印象。
・CHF Asset Mgr:前週まで微小な変動が続いていましたが、今週+19,716枚と突然の大幅ショートカバー。
・AUD Asset Mgr:前週は-5,549枚の赤でしたが、今週+18,600枚の鮮明な緑に戻り52週最高値を更新。一時的な調整終了?

📌 注意すべきパターン
・EURではAMの赤が急拡大する一方、Dealerが+88,162枚という巨大な緑で全力カバー。AMの大量売却を市場全体として吸収している構図が鮮明。
・GBPとCHFのAMが同時に大幅な緑(ショートカバー)に転じています。これまで極端に売られていた通貨に一斉に買い戻しが入った格好で、リスクセンチメントの変化を示唆している可能性。

 

🔍 通貨別の詳細分析

ここまで全体を俯瞰して見たので、次は各通貨のポジションを見ていきましょう。

EUR(ユーロ)⭐⭐⭐ 利食い第2波が炸裂、-71,761枚の大量売却

Asset Managerのユーロロングが294,538枚(約6.8兆円)まで急減し、前週から-71,761枚(約1兆6,500億円)という今年最大の減少を記録しました。

2/17のピーク413,713枚から4週間で-119,175枚(約2.7兆円)が解消された計算です。
52週レンジの24%まで急落しており、ポジションの大半が巻き戻された印象ですね。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
02/17 413,713(ピーク) +3,175 43,549 -6,655
02/24 395,301 -18,412 36,797 -6,752
03/03 370,272 -25,029 29,632 -7,165
03/10 366,299 -3,973 5,231 -24,401
03/17 294,538 -71,761 -6,952 -12,183

先週「利食い減速か」と思われた矢先に、今週は一気に加速しました。

注目すべきは、Leveraged Moneyが+5,231枚から-6,952枚へとついにネットショートに転換したことです。

AMの利食いとLMのショート転換が同時進行するダブルの売り圧力で、Dealerは+88,162枚(約2兆円)という巨額のカバー買いに追われています。

📌 ポイント:294,538枚は依然として大きなロングですが、4週前の413,713枚からは29%も縮小しています。AMの利食いペースが再加速し、LMもショートに転じたことで、EURUSDの下落圧力は一段と強まっています。ただし52週レンジの24%まで来ており、ここからさらに売り込むにはファンダメンタルズ面の追い風が必要ですね。その鍵を握る1つがこのCOT後のECBでしょう。

 

CAD(カナダドル)⭐⭐⭐ 天井から一転、-39,444枚の急反落

Asset ManagerのCADロングが69,512枚(52週最高値)から30,068枚(約3,490億円)へ、わずか1週間で-39,444枚(約4,580億円)の急落を記録しました。

先週「52週レンジの100%到達=天井圏」と指摘した通り、利食いが一気に発動した格好です。

日付 Asset Manager 前週比
02/24 63,126 -5,438
03/03 61,582 -1,544
03/10 69,512(52週最高値) +7,930
03/17 30,068 -39,444

52週最高値を付けた翌週にこれだけの売りが出るのは、典型的な天井→利食い殺到パターンと見れます。

Dealerは+42,482枚(約4,930億円)と、AMの売りをほぼ全額カバーしています。
Leveraged Moneyは-37,852枚で前週比-693枚とほぼ横ばいで、今回の急落はAM主導の動きです。

📌 ポイント:52週レンジの80%にはまだ位置しているので、完全な撤退ではなく「利食い第1波」と見るのが妥当です。ただし-39,444枚という変動幅は直近数ヶ月で最大であり、AMのCADに対するスタンスが大きく変わった可能性があります。ここからの原油動向や忘れがちな関税問題の展開次第では、さらなるロング解消も十分あり得ますね。

 

AUD(豪ドル)⭐⭐⭐ 52週最高値更新、EURからの資金シフトか

Asset Managerの豪ドルロングが41,929枚(約4,690億円)で52週最高値を更新しました。
前週から+18,600枚(約2,080億円)の大幅買い増しです。

先週は-5,549枚と一旦調整しましたが、今週すぐに買いが再開。

一時的な「押し目」で終わった格好ですね。

直近4週のAMの動きを振り返ると、+8,816→+18,301→-5,549→+18,600枚と、売りが入ったのは1週だけで、買いの勢いが圧倒的です。

EURのAMが-71,761枚の大量売却を行う一方で、AUDのAMが+18,600枚の大幅買い増し。欧州通貨から資源国通貨へのローテーションが起きている可能性があります。

Leveraged Moneyは+45,359枚で前週比-1,209枚とほぼ横ばい。

AMの買い意欲が突出しています。

📌 ポイント:52週レンジの100%に到達しており、CADが先週100%到達→今週急反落した前例を考えると、AUDも天井圏リスクが意識されます。ただしCADとは異なり、AUDはLMも同方向(ロング)で推移しているため、トレンドの持続力は相対的に高いと見ることもできます。来週の変化量が「天井打ち」か「さらなる上積み」かの分岐点になりそうです。

 

JPY(円)⭐⭐ AMがついにネットショートに転換

Asset Managerの円ポジションが-439枚と、ついにネットショートに転換しました。

前週の+2,831枚から-3,270枚(約410億円)の減少で、52週レンジの0%に到達しています。

2025年のピーク127,275枚からの長期下落トレンドがゼロラインを割り込んだ形です。

日付 Asset Manager 前週比 Lev Money 前週比
02/24 30,972 -9,574 -26,317 +3,004
03/03 17,904 -13,068 -34,225 -7,908
03/10 2,831 -15,073 -49,219 -14,994
03/17 -439 -3,270 -65,429 -16,210

AMの変化量は-3,270枚と前週より減速しましたが、注目すべきはLeveraged Moneyの方です。
-16,210枚(約2,030億円)で4週連続の売り加速。ショートは-65,429枚(約8,180億円)まで拡大しています。

📌 ポイント:AMがネットショートに転じたのは象徴的な転換点です。ここからさらにショートを積み増していくのか、ゼロ近辺で一旦落ち着くのかが焦点です。一方LMの売りは加速しており、-65,429枚という具合でショートに偏ってきています。この偏りが一気に巻き戻されるリスクも意識しておきたいですね。

 

GBP(ポンド)⭐⭐ ショートカバーが加速、底打ち本格化か

Asset Managerが+24,545枚(約3,260億円)の買い戻しで、-95,958枚まで回復しました。

先週の+5,044枚から大幅に加速しており、52週最安値-125,547枚(03/03)からの反転が本格化した印象です。

日付 Asset Manager 前週比
02/24 -110,158 -16,615
03/03 -125,547(52週最安値) -15,389
03/10 -120,503 +5,044
03/17 -95,958 +24,545

2週間で+29,589枚(約3,930億円)の買い戻しです。

ただしLeveraged Moneyは-8,334枚(約1,110億円)の売りで、20,102枚→11,768枚とロング縮小は継続中。

AMの買い戻しvsLMの売りという構図は先週と同じですが、今週はAMの勢いがLMを大幅に上回っていますね。

📌 ポイント:-95,958枚はまだ大きなショートですが、底値からの反転が加速している点は注目です。2週間で約3,930億円の買い戻しは、機関投資家がポンドの売られすぎを認識し始めた証拠とも言えます。LMの売りが一巡すれば、GBPUSDの反発余地はさらに大きくなります。

 

CHF(スイスフラン)⭐⭐ 突然の大幅ショートカバー発動

Asset Managerのフランショートが-34,647枚(約8,750億円)で、前週の-54,363枚から+19,716枚(約4,980億円)の大幅買い戻しが起こり、52週レンジの4%から一気に63%まで回復しました。

これまで数週間にわたりほぼ変動がなかった(+624→+164枚)のに、今週突然の大幅ショートカバーが発生しています。

GBPのAM +24,545枚と合わせて、これまで極端に売られていた通貨への一斉買い戻しが起きた格好です。

今回のCOT発表後のSNBへのポジション調整だった可能性も考えられますね。

一方でLeveraged Moneyは-3,767枚の売りで、+4,280枚→+513枚とほぼフラットに戻っています。

📌 ポイント:52週レンジの4%→63%という急回復は、ポジションの偏りが一気に解消されつつあることを示しています。リスクオフ局面でのフラン逃避買いがトリガーになった可能性がありますが、SNBのフラン売り介入が入ればショート方向の支援材料にもなるため、今後の動きは地政学情勢次第ですね。

 

DXY(ドルインデックス)⭐ AMが52週最高値に到達

Asset Managerが+10,757枚で、52週レンジの100%に到達しました。

4週連続の買い増し(+580→+4,538→+6,167→+3,601枚)で、着実にドルロングを積み上げています。

Leveraged Moneyは+6,068枚の買い戻しで-5,615枚に。先週の-11,683枚からはショート縮小方向です。

 

💡 今週の注目テーマ

全体的にCOTレポートの分析を通じて、FX侍が今週注目するテーマがこちらです。

1. EUR:利食い第2波

先週「利食い減速か」と思われた矢先に、-71,761枚という4週間で最大の売りが出ました。
413,713枚のピークから4週で約29%が消えた計算で、かなりのスピード感です。

ただし294,538枚のロングはまだ残っており、ここからの焦点は「3回目の波」が来るかどうか。

来週大幅に減速すれば294,000枚付近が新たなサポートになる可能性がありますし、売りが続けば250,000枚割れも視野に入ります。

2. GBP・CHF:同時の極端ポジションの一斉巻き戻し

GBPのAM(+24,545枚)とCHFのAM(+19,716枚)が今週同時に大幅なショートカバーを記録しました。

両通貨とも52週レンジの極端な下位にあったことを考えると、これは個別通貨の材料というよりも、リスクセンチメント全体の変化を反映している可能性があります。

CADの利食い急落と合わせると、「偏ったポジションの一斉リバランス」が起きた週と見ることができますね。

3. AUD vs CAD:資源国通貨の明暗

AUDのAMが52週最高値を更新(+18,600枚)する一方、CADのAMは52週最高値から急反落(-39,444枚)。

同じ資源国通貨でも、機関投資家のスタンスが真逆に動いています。

関税リスクへのエクスポージャーの差がこの明暗を分けているかもしれません。

AUDロングの強さが続くかどうかは、CADと同じ「天井打ち」パターンにならないか注視する必要がありますね。

 

最後に一言

今週のCOTデータは、EURの大量売却、CADの急反落、GBP・CHFの同時ショートカバーと、「大きなポジション調整」が一斉に動いた印象的な週でした。

BOC・FOMC・BOJ・SNB・BOE・ECBの結果を受けて、来週以降のポジション形成がどう変わるかが次の焦点です。

特にEURのAMが294,000枚付近で踏みとどまれるか、AUDが「第2のCAD」にならないかが、個人的な次回のCOTの注目ポイントです。

 

⚠️ 注意事項

  • COTレポートは火曜日時点のデータが米国東部時間の金曜午後(日本時間土曜早朝)に公開されます。公開時点で3日、実際にトレードに反映できるのは翌週月曜日になるため、実質的に約1週間の遅延がある点に注意が必要です
  • ポジションデータは方向のバイアスを示すものであり、エントリータイミングの判断には価格分析との併用が必要です
  • 極端なポジションは「逆張りシグナル」として機能することがありますが、トレンドが継続する限りは順張り方向が有利です
  • 円換算額は記事執筆時点の為替レート(EUR/JPY: 184.25、GBP/JPY: 212.44、AUD/JPY: 111.83、CAD/JPY: 116.00、CHF/JPY: 202.05、USD/JPY: 159.22)に基づく概算値です
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