FX侍です、こんにちは。
新しい年がスタートしてもう2週間。
去年はあれだけ弱かったドルが今年に入って好調な滑り出し。
今週月曜12日には「パウエル議長に司法省が召喚状、訴追も示唆」という中銀の独立性を脅かすニュースがあったものの、意外とドルは崩れませんでした。
去年はこの手の話題でドルが売られてトリプル安になってたのにね。
だからファンダは難しいんだよ…
と言いたくなる気持ちはよくわかります笑
とはいえ、一定レベル以上のトレーダーであれば、ファンダを無視するのはいただけません。
相場を動かす『市場のテーマ』を知る上でも重要ですから。
そこで今回は、大口も含めた世界中の人が見ている26年相場を占う一次情報をシェアします。
情報を点のままではなく、点を線にする判断軸を養う土台になるものですね。
Xなどの適当な予想合戦じゃありませんよ笑
12月〜1月は、官民の主要機関や運用会社が年間見通しを出すシーズンでもあります。
そこに合わせて出てくる一次情報。
つまり今が情報の旬といえます。
基本となる3つのレポート
結論から言うと…
下記の3本で『地雷→空気感→マクロ基準線』を把握するのがオススメです。
・ユーラシアグループ|Top Risks 2026 =今年の地雷マップ
・世界経済フォーラム|Global Risks Report 2026 =世界の空気と優先順位
・世界銀行|Global Economic Prospects(Jan 2026) =景気・金利環境の基準線
なんか難しそう…( ´Д`)という方もご安心ください笑
ちゃんとこれからわかりやすく解説していきますので。
ちなみにこの3本の選定理由は以下の通り。
1.公式が一次情報として公開(無料で閲覧できる)
2.毎年更新されて比較しやすい
3.メディアやプロの解説で頻繁に引用されて共通言語になりやすい
さらに1つ加えるのであれば、IMFが年2回(通常1月と7月)に発行する「世界経済見通し(World Economic Outlook、略称:WEO)」を加えるといいでしょう。
じゃあ次は、これらのレポートの内容とFXへの活かし方を解説します。
特に相場への影響力が大きなアメリカ(米ドル)を主体として見ていきましょう。
ユーラシアグループ:Top Risks 2026(地雷カタログ)
レポート発行元のユーラシア・グループとは、世界で最も影響力のある「政治リスク専門」のコンサル会社。
本来は数値化しにくい政治の話を、市場へのインパクト(地雷)として整理してくれるため、世界中の相場関係者がチェックしているレポートです。
→Eurasia Group|Top Risks 2026(新規タブで開きます)
レポートの内容
「2026年に起きやすい政治リスク」を順位付けし、ビジネスと市場に影響を与えるリスクの高い地雷を10本に圧縮して提示しています。
2026年版のトップ10は、ざっくりこういう並びです(表現はレポート準拠)
- アメリカの政治革命
- 「電気国家」中国
- ドンロー主義(トランプ版モンロー主義)
- 包囲される欧州
- ロシアの第二の戦線
- アメリカ式国家資本主義
- 中国のデフレ
- ユーザーを食い尽くすAI
- USMCAのゾンビ化
- 水の武器化
これをただの知識ではなく、FXでの活用法を考えましょう。
FX(ドル)目線で見るべき場所
このレポートで押さえるべきは、「アメリカ・通商・地政学」の3つ視点です。
◆アメリカの政治革命
革命というと少し大袈裟ですが、要するに「不確実性」です。
政策がブレると、ドルの方向性より先にボラが上がります。
去年のTACOで振り回された人も多いですよね笑
不確実性リスクが高まると、上下に振れやすくなるのが特徴です。
◆通商・対立(関税/制裁/ブロック化)
「ドンロー主義」や「USMCAのゾンビ化」みたいな話は、インフレ再燃・成長鈍化・リスクオフを経由してドルに波及します。
まぁあれだけ方々に関税を仕掛ければ当然反発も出てくるわけで、今年もこのテーマは続行です。
特にまだ判決の出ていない、トランプ関税に対する最高裁判決は大きな注目を集めるのは間違いないでしょう。
◆地政学(欧州・ロシアなど)
地政学リスクが高まると、リスクオフで「有事のドル買い」が起きやすくなります。
(ドルから安全資産へ資金待避が起こることもあります)
ロシア・ウクライナ戦争の終結も進んではいるものの、まだ解決には時間がかかりそう。
しかもアメリカがNATOへの関与度を下げようとし始めているので、地政学的リスクの火は燻り続けていると言えるでしょう。
レポートの弱点
全てのレポートに共通していますが、為替の方向を「ドル高/ドル安」と言う具合に、決め打ちしてくれる内容ではありません。
あくまでこれは地雷の整理がメインテーマです。
大きな目線で「今年はどんなリスクが起こり得るか?」と言う見方で、その時々のニュースをキャッチアップしていきましょう。
その地雷に着火すると市場の反応が大きくなりやすい、という可能性を考えておくと今年の見立てに役立てやすいですね。
ただし、レポート内には「ドルに代わる現実的な選択肢が乏しく、ドルの優位性は自己強化的」といった、米ドルの下支えとして読める記述もあります。
世界経済フォーラム:Global Risks Report 2026(空気感の定点観測)
レポート発行元の世界経済フォーラム(WEF)を一言で言うと、ダボス会議を主催する世界のエリート層によるサロン(国際機関)です。
ユーラシア・グループが「短期的な地雷」を書いているのに対し、WEFは「エリート層が共有している長期的な懸念・アジェンダ」を把握するために読みます。
→WEF|Global Risks Report 2026(新規タブで開きます)
レポートの内容
世界の主要リスクを時間軸で整理し、Global Risks Perception Survey(GRPS)として公表しています。
GRPSは1300人を超える専門家(学術、ビジネス、政府、国際機関etc…)の洞察を集めたもので、世界の空気感が読み取れることがポイントです。
個別ニュースの正誤というより「世界の意思決定層が何をリスクとして考えてるか」が分かります。
さらに、WEFはレポート全体を 3つの時間軸(例:2026/2028/2036) で整理している点が特徴ですね。
FX(ドル)目線で見るべき場所
このレポートで押さえるべきは、「経済の武器化・社会の分断・複合危機(polycrisis)」の3つです。
◆経済の武器化
制裁・規制・投資制限・資源囲い込み…みたいな話が増えるほど、安全資産としてのドルが買われる局面が増えやすくなります。
◆社会の分断・政治不安
イベントでリスクオン/オフが切り替わる速度を上げるので、相場が荒れやすくなるでしょう。
◆複合危機(polycrisis)
単発材料ではなく連鎖で相場が動く前提が作られます。
コロナ→インフレ→利上げ→景気減速、みたいな流れをイメージするといいでしょう。
ドミノで考えれば「最初はどこが倒れて連鎖していくか」という、点を線として繋げる目が必要になります。
レポートの弱点
長期視点の内容も強いので、トレーダー自身でつながりを意識する必要があります。
例えば…
経済の武器化(長期テーマ)だとした場合、
→直近では関税・制裁・資源のニュースが多い
→関連する指標(貿易、製造業、インフレ)とイベントを監視、みたいなイメージです。
このつながりを考えられる人は日々のトレードに活かせる内容になってます。
世界銀行:Global Economic Prospects(Jan 2026)(マクロ基準線)
レポート発行元の世界銀行(World Bank)を一言で言うと、「世界中の政府が出資する、途上国支援と経済分析のための巨大銀行」です。
今年は平穏ならこれくらい成長するはずという「普通の予想図」を手に入れるために読みます。
特に新興国の分析に強いため、新興国通貨や高金利通貨を触るトレーダーにとっては重要な情報源となります。
→World Bank|Global Economic Prospects(新規タブで開きます)
レポートの内容
世界景気・地域別見通しに加えて分析章も含む、「世界景気の基準線」をまとめたレポートです。
基準線=特に何も起きなければこうなるよね?っていう通常時の予想のことです。
(例:アメリカは2.2%成長、欧州は1.0%成長みたいな)
じゃあなぜこれが重要かというと、相場が大きく動くのは「基準からズレたとき」なんですよ。
基準よりもアメリカの成長率が低くなればドル安材料になりやすい、逆に基準より強いければドル高材料になりやすいという感じです。
もちろん指標前の事前予想はありますが、世界の基準を把握できるのがレポートの価値と言えるでしょう。
FX(ドル)目線で見るべき場所
レポートで押さえるべきは、「成長差・金融環境・新興国リスク」の3つです。
◆成長差(アメリカvs欧州vs中国など)
成長差は資金フローを生み出します。
わかりやすい例で言えば、成長率がアメリカ>欧州であれば、資金はアメリカに流れやすくなるということ。
ただ市場は未来を折り込んで動く習性があるので、相対的な変化も重要なポイントとなります。
◆金融環境
これは最もわかりやすい「金利差」の土台となります。
各国の中銀が「まだ利下げを予定している」のか「打ち止めから利上げを考えている」のかによって、将来的な金利差の見込みで資金移動する下地となります。
◆新興国の脆弱性
新興国はリスクオフの火種になりやすい傾向があるので、新興国発のリスクオフ→ドル買い、という流れです。
また、資源を持つ新興国も多いので、資源価格に影響が波及するケースも考えられますね。
レポートの弱点
成長・インフレ・貿易などの経済指標にも絡む基準線を知るには最適ですが、数字が平常時の想定なので、ショック時の反射は別物となります。
地政学や政策ショックが入ると、基準線より「リスクオン/オフ」が原動力で動くので短期がぶれやすい点には注意が必要です。
なので平時の基準を把握し、動いたときに「基準線からどれだけズレたか」を測る物差しとして使うのがいいでしょう。
レポートを使える情報に変えるコツ
ぶっちゃけレポートを全部読む必要はありません。
そもそもが英語のレポートですので、しっかり読むのは骨が折れます笑
各レポートで見るべき場所をまとめるとこんな感じ。
基本的には、相場に大きな影響力を持つドル目線で見ればOKです。
1.Eurasia(Top Risks)
見るのはトップ10のうち、米政治/通商(関税・制裁)/地政学に関係する項目だけ。
→2026年の「荒れる候補地」を先に決めるために読む
2.WEF(Global Risks)
見るのはランキング全部じゃなくて「直近(今年〜2年)」で上位のテーマだけ。
→市場が怖がりやすい空気を掴むために読む
3.World Bank(GEP)
見るのは細かい数字じゃなく成長/インフレ/金融環境の前提(ベースライン)の文章。
→ニュースが出た時に「基準からズレたか」を判定するために読む
この3つを押さえると、ニュースが出た時に迷うポイントが減ります。
わかりやすく具体例を挙げて、ニュースで迷わないための活用法を解説します。
例1:地雷の点火(Eurasia)
地雷が発火すると方向より先に「荒さ(=ボラ)」を連れてきます。
・アメリカの政策がブレる
・関税や制裁が強化される
・同盟国との摩擦が表面化する
こういったニュースは、政府の決定が絡むので材料が重く、いきなりボラが上がるのが特徴です。
連鎖する可能性のある地雷化をチェックしましょう。
例2:空気感が先に動く(WEF)
空気感が変わると、大事件がなくても相場が「不安モード」に入りやすくなります。
方向感が出る前に、行ったり来たりの揺れが増えるのが特徴です。
・小粒のニュースなのに相場が荒れる
・材料の方向が揃わず、上がったり下がったりする
・示唆→報復示唆→例外→再交渉みたいに小さな更新が続く
こういう動きは、単発の材料ではなく「通商×地政学×国内政治」みたいに火種がつながるリスクがあります。
レポートにある「複合危機(polycrisis)」っぽい相場になっているサインかも。
いま市場が怖がっているテーマに重なった話題かをチェックしましょう。
例3:基準線からのズレ(World Bank)
基準線が変わると、相場は「新たな普通の基準」を探しにいきます。
いきなり荒れるというより、じわじわ効いてくるのが特徴です。
・景気の見通しが強い/弱いに傾く
・インフレの粘り/沈静化の前提が変わる
・金融環境が緩む/引き締まりやすい方向に変わる
こういうニュースは、単発材料というより今年の前提(ベースライン)が上書きされる話です。
だから「良い悪い」より先にどの前提がズレたのかを特定するのが大事になります。
成長・インフレ・金融環境のどれが書き換わったのかをチェックしましょう。
ニュースが出たら、まずは例1〜3のどれに該当するか考える癖をつけるだけでも情報が点から線になりますよ。
まとめ
今回紹介した3本のレポートで「市場参加者が共有している前提条件」が分かります。
・Eurasia → 今年はどこが荒れやすいか(地雷リスト)
・WEF → 世界は何を心配しているか(警戒テーマ)
・World Bank → 平常時はどうなる想定か(成長・インフレ・金利の基準)
この前提を知ってると、ニュースが出たときに市場がどう反応しやすいかが読みやすくなります。
やることはシンプルです。
・3本のレポートをブックマーク
・気になるニュースが出たら例1〜3のどれかに分類
・分類が決まったら、ボラ警戒か、連鎖警戒か、前提のズレ確認に動く
これだけで無駄に振り回される回数が減りますよ(・∀・)

































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