COTレポート分析 2026年6月9日週
  • COT

COTレポート分析 2026年6月9日週

FX侍です、こんにちは。

先々週はドラゴンズの4連勝を嬉々として書いたんですが、もう今となっては輝かしい過去ですね…

最近の体たらくっぷりは見てられません。

特に先日のサヨナラの好機を逃した牽制アウト。

いろんな元プロ野球選手のYoutubeやコメントを見ましたが、共通してるのは「あり得ない」ということ。

ですよね…としか言いようがありません笑

 

さて、嫌な話は忘れて本題へ参りましょうか。

今週はポジションの大整理が起きた週です。

来週6/10〜18の中銀ラッシュを前に、ヘッジファンドも機関投資家も一斉に持ち高を畳みにきました。
その結果、ドル以外がほぼ全面的に売られるという、きれいに揃った週になっています。

COTに関する基礎知識は、以下の解説記事をご覧くださいませ。

 

 

今週のCOTハイライト

今回のCOTは6月9日(火)時点のデータ。

ドルだけが買われ、その他の通貨は揃って売られるという3週ぶりの「ドル一強」の構図が鮮明になりました。

DXYのAMは52週高値を更新する一方、EUR・JPY・GBP・AUD・CAD・CHFのAMは全て前週から減少しています。

COT集計期間内で重なっていた材料はこんな感じ。

・6/3 ドル円が160.075の21カ月ぶり高値、介入ライン160に再接近
・6/5 米5月雇用統計が+17.2万人と予想(予想+8.5万人)を大幅超過、失業率は4.3%で横ばい
・6/10〜18は中銀ラッシュ(BOC・ECB・RBA・日銀・FOMC・BOE)、会合前の持ち高調整が活発化
・※6/10 BOCが政策金利2.25%で据え置き(5会合連続)
・※6/11 ECBが0.25%利上げ(2023年以来初)、米イラン戦争のエネルギーコスト高を警戒
・※6/11〜12 トランプがイラン攻撃を保留、和平接近観測でBrentが$86台へ急落(3月以来安値)
(※は今回のCOT集計後の出来事です)

雇用統計の大幅上振れでドル金利の高止まり観測が補強され、ドル買いが一段と進んだ格好です。

特に注目すべき3点

今週、特に大きく動いたのは以下の3通貨です。

1. JPY(円):Asset Manager・Leveraged Moneyがそろって52週最安値を更新
2. CAD(カナダドル):Asset Managerが前週比-21,673枚の大幅売り、5週連続の売り
3. EUR(ユーロ):Leveraged Moneyがロングを投げて売りに転落、52週最安値

推移をまとめた表がこちらです。

通貨 Asset Manager 前週比 Lev Money 前週比 注目度
EUR 281,556 -4,365 -17,388 -29,415 ⭐⭐⭐
GBP -109,656 -8,090 22,312 -5,041 ⭐⭐
JPY -78,076 -12,064 -99,844 -11,781 ⭐⭐⭐
CAD -73,639 -21,673 -58,623 -14,022 ⭐⭐⭐
AUD -12,083 -12,939 42,292 -16,508 ⭐⭐
CHF -36,553 -4,036 -10,785 -836
DXY 16,601 +1,598 -13,656 -2,544 ⭐⭐

Asset Manager = 年金基金や保険会社などの機関投資家。中長期のトレンドを反映しやすい。
Leveraged Money = ヘッジファンドなどの投機筋。短期的な値動きへの反応が早い。

 

先週比のポジション変化のグラフがこちらです。

▼カーソルを乗せると数値が表示されます

 

🗺 ヒートマップで見る直近の流れ

直近の変化がわかりやすいヒートマップがこちらです。

ヒートマップから読み取れるポイント

🔴 赤が目立つ通貨(ポジション縮小・売り方向)
・JPY Asset Mgr / Lev Money:両方とも赤が連続。ここ数週で売り越しが一段と加速し、ともに52週最安値を更新
・CAD Asset Mgr:5週連続の赤。買い越しから一気に深い売り越しまで沈み込み
・EUR Lev Money:今週だけ濃い赤に反転。ロングを一気に投げて売り越しへ転落

🟢 緑が目立つ通貨(ポジション拡大・買い方向)
・DXY Asset Mgr:ドル全体への買いだけが緑。Asset Managerは52週高値を更新し、唯一の買い方向

📌 注意すべきパターン
・AUD:Asset Managerがプラスからマイナスへ転落した一方、Lev Moneyはまだ4.2万枚のロングを残しています。機関投資家が先に降り、投機筋が後追いという形で、両者の温度差が残っている

 

🔍 通貨別の詳細分析

ここまで全体を俯瞰して見たので、次は各通貨のポジションを見ていきましょう。

EUR(ユーロ)⭐⭐⭐ 投機筋がロングを総投げ

AMの現在ポジションは281,556枚(約6.5兆円)、前週比-4,365枚(約1,011億円)の小幅売りです。

52週レンジでは15%と、低位で横ばいに近い状態。

一方で今週の主役はLMです。

前週の+12,027枚から-29,415枚(約6,816億円)の大幅売りで、一気に-17,388枚(約4,029億円)の売り越しへ転落しました。

これは52週レンジで0%レベル。
つまり1年で最も弱気な水準です。

投機筋がECB理事会の直前にユーロロングを投げ売ったわけですが、これは意外と重要な示唆かもしません。

 

COT集計後の11日のECBは2023年以来初の利上げ。

ラガルド総裁は7月の追加利上げも示唆するタカ派姿勢でしたが、利上げ自体はほぼ織り込み済みで、ユーロの反応は限定的でした。

ドル全面高に加えてエネルギー高による欧州の交易条件悪化を見込めば、LMの売りは目先のユーロの動きを見る上で要チェックポイントになるかもしれません。

(ただ米イラン情勢の合意次第ではドルの巻き戻しの受け皿になる可能性は十分考えられますけどね)

📌 ポイント:EURはLMが-29,415枚の大幅売りで52週ぶりの弱気水準へ転落する一方、AMは28万枚台の厚いロングを維持と、投機と機関で見方が割れました。※6/11のECB利上げは織り込み済みでユーロの反応は限定的(集計後)。AMが28万枚を割り込めば利食い第2波で下値が見え、逆にLMの売りが行き過ぎれば踏み上げの買い戻しも出やすい構造です。当面はドル全面高の持続力と、ラガルド総裁が示唆した7月追加利上げの織り込み具合次第ですね。

 

GBP(ポンド)⭐⭐ 売り越しがじわり拡大

AMは-109,656枚、前週比-8,090枚(約1,086億円)の売りです。

52週レンジは13%と低位に張り付いています。

LMは22,312枚で前週比-5,041枚と、こちらも買いを削りました。

機関投資家の深い売り越しと投機筋のロングという対立構図は続いていますが、今週はその投機筋もロングを少し落としています。

ドル全面高の流れにポンドも逆らえず、という印象です。

📌 ポイント:GBPはAMが-8,090枚の売り直しで-11万枚の大台目前まで沈み、先週までの買い戻しは1週で帳消しになりました。LMも2.2万枚までロングを削っており、対立構図ながら全体は売り側へ傾いています。-11万枚を割り込めば52週最安値(-125,547枚)トライが再び視野に、逆に6/18のBOEがタカ派姿勢を見せれば買い戻しが優勢に。当面はドル全面高にポンドが抗えるか、BOEが試金石ですね。

 

JPY(円)⭐⭐⭐ 機関も投機も52週最安値

今週の主役はやはり円です。

AMは-78,076枚(約9,760億円)、前週比-12,064枚(約1,508億円)の大幅売り
LMは-99,844枚(約1兆2,481億円)、前週比-11,781枚(約1,473億円)の大幅売りです。

揃って52週レンジ0%、つまり機関投資家も投機筋も「1年で最も円を売っている」状態に到達しました。

推移を見ると、円売りがどれだけ一直線かがよく分かります。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
5/12 -19,992 -9,396 -62,440 -9,543
5/19 -41,886 -21,894 -64,945 -2,505
5/26 -58,747 -16,861 -70,508 -5,563
6/2 -66,012 -7,265 -88,063 -17,555
6/9 -78,076(52週最安値) -12,064 -99,844(52週最安値) -11,781

5週連続で売り越しが加速し続けています。

背景は明快で、ドル円が6/3に160.075の21カ月ぶり高値をつけ、介入ライン160に再接近したこと。

そこに6/5の雇用統計が+17.2万人と予想(予想+8.5万人)を大幅に超え、ドル金利の高止まり観測がドル買い・円売りを後押ししました。

 

ただし、ここで効いてくるのが介入リスクです。

4〜5月に投じた約11.7兆円の介入効果はすでに消え、160という当局の防衛ラインに再び迫っています。

投機筋が1年で最も円を売り込んだ今、当局が160を本気で守りにくれば、その反対側に積み上がった売りポジションが巻き戻しの燃料になります。

さらに来週6/15-16の日銀会合。

市場では6月末までの利上げを見込む声が直近で94%(Reuters調査)まで高まっており、円売りに傾き切ったポジションは方向リスクを抱えた状態です。

📌 ポイント:JPYは機関・投機そろって52週最安値の極端な円売りで、LMは-10万枚の大台目前まで積み上がりました。そこに160の介入ラインと6/15-16の日銀会合という反転材料が、来週同じタイミングで重なります。介入や日銀のサプライズが出れば、積み上がったショートの巻き戻しで急反発のリスク。逆にどちらも無風なら160上抜けが既成事実化しやすくなります。売り一辺倒に傾き切ったぶん上下どちらでも値幅が出やすい、年内屈指のイベント週ですね。

 

CAD(カナダドル)⭐⭐⭐ 5週連続の投げ売り

AMは-73,639枚(約8,433億円)、前週比-21,673枚(約2,482億円)の大幅売りです。

52週レンジは16%。

わずか5週前は+29,790枚の買い越しだったものが、一気に深い売り越しまで叩き込まれました。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
5/12 23,768 -6,022 -37,663 +10,095
5/19 10,533 -13,235 -38,654 -991
5/26 -27,200 -37,733 -38,095 +559
6/2 -51,966 -24,766 -44,601 -6,506
6/9 -73,639 -21,673 -58,623 -14,022

先週「-4万枚割れで本格売り相場入り」と指摘しましたが、その流れがさらに加速した形です。

LMも-58,623枚で前週比-14,022枚(約1,606億円)の売りと、投機筋も足並みをそろえています。

 

売りの主因は、実は原油ではなく米加の金利差です。

市場はBOCが当面動かないと織り込んでおり(6/10も5会合連続で据え置き)、Fedの3.50-3.75%との金利差が開いたまま。
この差を映して、ドルカナダは6/9に1.3969と2025年12月以来のカナダドル安をつけました。

 

加えてUSMCA(米加墨の貿易協定)もCADの足を引っ張っています。

7/1の更新期限を逃す見通しとなり、トランプ大統領は「更新するつもりはない」と発言。
25%関税が残る中の貿易不透明感や、Q1のGDPが-0.1%と弱含んだ景気も、カナダドルの重しです。

むしろ原油は今まで中東戦争のプレミアムで高止まりし、CADを支える側だったと言えるでしょう。

その原油が6/11〜12にトランプのイラン攻撃保留と和平接近観測でBrent$86台(3月以来安値)まで急落しており、こちらは来週に向けた新たな逆風になります。

📌 ポイント:CADはAMが5週で+3万枚弱の買い越しから-73,639枚まで一直線に投げ、LMも-58,623枚と足並みを揃えました。売りの主役はBOC据え置き継続とFed高止まりによる金利差で、そこにUSMCA更新の難航と弱い景気が重なった構図です。先週の「-4万枚割れで本格売り相場入り」を突き抜け、-8万枚に迫る水準は売られ過ぎ圏として意識したいところ。COT後に急落した原油が下げ止まらなければもう一段の売り、逆にUSMCA交渉の進展や原油反発が出れば、行き過ぎたショートの巻き戻しも出やすくなります。当面は米加金利差・USMCA・原油の3点が分岐点ですね。

 

AUD(豪ドル)⭐⭐ 機関がマイナス転落

AMは-12,083枚(約1,364億円)、前週比-12,939枚(約1,461億円)の大幅売りです。

先週わずか+856枚だったものが、ついにマイナスへ転落しました。

52週レンジは53%とまだ中位ですが、機関投資家が売り越し側へ回ったのは流れの変化として要注目です。

LMは42,292枚、前週比-16,508枚(約1,864億円)の売りと、高水準ロングをようやく削り始めました。

先週「投機筋が58,800枚の高水準ロングを温存、AMとの乖離が出現」と指摘した点が、今週は投機筋もロング縮小に動いて少し解消した形です。

📌 ポイント:AMが4週で約6万枚を投げてついにマイナス圏入り、LMも-16,508枚と高水準ロングの取り崩しを始めました。先週懸念した「LMの全降り」が現実化しつつある形です。LMにはまだ4.2万枚のロングが残っており、ここが崩れれば第2波の下押しに。逆に株式市場の地合いが持ち直せばリスクオン通貨として下げ止まりも見えてきます。来週6/16のRBAと、中銀ラッシュ通過後の株価の反応が分岐点ですね。

 

CHF(スイスフラン)⭐ 小幅な売り戻し

AMは-36,553枚、前週比-4,036枚と小幅に売り戻しました。

52週レンジは83%と、売り越しの中では高めの位置です。

LMは-10,785枚で52週レンジ0%と、こちらは1年で最も弱気な水準にあります。

ドル全面高の中でフランも例外なく売られましたが規模は限定的で、方向感の主役にはなっていません。

📌 ポイント:CHFはAMが-4,036枚の小幅な売り直しで、ドル全面高の波には乗りつつも動きは限定的。一方でLMは-10,785枚と、1年で最も弱気な水準まで売りを積みました。米イランの和平期待が続けばリスクオンのフラン売りが優勢ですが、情勢が再燃すれば逃避買いで一気にショートカバーが入る両面リスクは健在です。過度なフラン高にはSNBのフラン売り介入が控える点も含め、地政学ヘッドライン次第の通貨ですね。

 

DXY(米ドル指数)⭐⭐ 機関の買いが52週高値

AMは16,601枚、前週比+1,598枚の買い増しです。

52週レンジは100%、つまり機関投資家のドル買いは1年で最高水準に達しました。

今週ドル以外がそろって売られたことの裏返しでもあります。

LMは-13,656枚と売り越しのままで、投機筋と機関投資家でドルへの見方が分かれている点は引き続き意識しておきたいところです。

📌 ポイント:DXYはAMが+1,598枚の買い増しで52週高値を更新、機関のドル買いは1年で最も強気な水準に達しました。一方でLMは-13,656枚と売り越しを拡大しており、機関と投機の乖離は今週も広がっています。来週6/16-17のFOMC(据え置き確率97%)を無風で通過すればドル高継続が基本線、逆にウォーシュ議長が利下げに含みを持たせれば52週高値圏からの反落リスクも。AMの買いが天井圏まで来ただけに、過熱感との綱引きが注視点ですね。

 

 

💡 今週の注目テーマ

全体的にCOTレポートの分析を通じて、FX侍が今週注目するテーマがこちらです。

1. ドル一強:雇用統計が点火した全面高

今週はDXYのAMだけが52週高値、それ以外は全て売られるという、3週間ぶりの綺麗なドル買いの週でした。

6/5の雇用統計が予想を倍以上に上回ったことで、ドル金利の高止まり観測が強まったのが起点です。
(この雇用統計はW杯による雇用増が要因とも言われていますが)

ただし機関投資家のドル買いが52週高値まで来た以上、過熱感も意識する局面に入ってきました。

2. 中銀ラッシュ前のポジション整理

6/10〜18の中銀ウィークでは、BOC・ECB・RBA・日銀・FOMC・BOEと連続します。

今週のポジション総整理は、この会合ラッシュを前にした持ち高調整の側面が大きいと見れます。

すでに10日のBOC据え置き、11日のECB利上げと結果が出始めており(いずれも今回のCOT後)、来週のCOTにはこれらを織り込んだ揺り戻しが出る可能性があります。

3. 円とカナダドル:売られ過ぎの反動リスク

円は機関・投機ともに52週最安値、カナダドルも-7万枚台まで売り込まれました。

どちらも極端な売り越しで、円は160の介入ラインと日銀会合、カナダドルはUSMCA(米加墨の貿易協定)という反転材料を抱えています。(米イラン協議締結というドルの巻き戻し材料もありますね)

売り一辺倒のポジションは、きっかけ次第で巻き戻しが大きくなりやすい点に注意したいところです。

 

最後に一言

今週はとにかく「ドル以外、全部売り」という分かりやすい週でした。

雇用統計の上振れと中銀ラッシュ前の持ち高調整が重なり、ポジションが一方向に傾きましたね。

ただ、こういう綺麗に揃った週ほど、その後の反動には気をつけたいところ。

円もカナダドルも1年で最も売り込まれた今、来週の中銀ラッシュで何か一つでも想定外が出れば、傾き切ったポジションが一気に巻き戻すエネルギーになります。

特にドル円は最近ボラが小さくなっていただけに、そのタガが外れた時には要注意。
今回のCOT後ですが12日の深夜にトランプ発言で1円ほど動いてますからね。

ショートがたっぷり溜まった状態で迎える来週の日銀とウォーシュ新体制のFOMC。

COTだけじゃなく来週は値動きそのものにも注目ですね。

 

⚠️ 注意事項

  • COTレポートは火曜日時点のデータが米国東部時間の金曜午後(日本時間土曜早朝)に公開されます。公開時点で3日、実際にトレードに反映できるのは翌週月曜日になるため、実質的に約1週間の遅延がある点に注意が必要です
  • ポジションデータは方向のバイアスを示すものであり、エントリータイミングの判断には価格分析との併用が必要です
  • 極端なポジションは「逆張りシグナル」として機能することがありますが、トレンドが継続する限りは順張り方向が有利です
  • 円換算額は記事執筆時点の為替レート(EURJPY 185.37 / GBPJPY 214.84 / AUDJPY 112.90 / CADJPY 114.52 / CHFJPY 201.03 / USDJPY 160.18)に基づく概算値です

同じカテゴリ内のオススメ記事

  1. 基本からわかるCOTレポート徹底解説
  2. COTレポート分析 2026年3月31日週
  3. COTレポート分析 2026年3月17日週
  4. COTレポート分析 2026年6月2日週
  5. COTレポート分析 2026年4月28日週

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

PAGE TOP