FX侍です、こんにちは。
いや〜花粉がなかなかヤバいですね…
私は基本的にスギよりヒノキが酷かったんですが、今年は早くもスギシーズンから大ダメージです( ;∀;)
というわけで(どんな訳だw)
今週もCOTレポートの分析をお届けします。
は?COTってなんぞ?
という方は、以下の解説記事をご覧くださいませ。
今週のCOTハイライト
最新の2026年3月3日付COTレポートでは、先週に続き主要通貨のポジション変動が加速しています。
特にEURの利食いが「第2波」に入った形です。
時期的に重なっていたイベントはこんな感じ。
2月28日(土)日本時間の午前中、アメリカ軍によってイランへの大規模戦闘が開始。
週が明けて月曜・火曜とエネルギー高→ドル高の流れで迎えた今回のCOTですね。
こうした状況で、特に注目すべきは以下の3点。
- EUR:Asset Managerの利食いが加速。前週の-18,412枚を上回る-25,029枚(約5,700億円)の大幅縮小で、ピークから2週間で43,441枚を解消。(天然ガス価格上昇でユーロは売られやすいです)
- AUD:Asset Managerが5週連続の買い増しで+18,301枚(約2,000億円)。52週最高値を更新し、28,878枚のネットロングに。
- GBP:Asset Managerのショートが52週最安値を更新。-125,547枚に到達し、4週連続の売り加速で約7,800億円のショートを積み増し。
推移をまとめた表がこちらです。
| 通貨 | Asset Manager | 前週比 | Lev Money | 前週比 | 注目度 |
|---|---|---|---|---|---|
| DXY | +989 | +4,538 | -4,547 | -5,397 | ⭐ |
| EUR | +370,272 | -25,029 | +29,632 | -7,165 | ⭐⭐⭐ |
| JPY | +17,904 | -13,068 | -34,225 | -7,908 | ⭐⭐ |
| GBP | -125,547 | -15,389 | +34,506 | -5,645 | ⭐⭐⭐ |
| AUD | +28,878 | +18,301 | +54,635 | -10,018 | ⭐⭐⭐ |
| CAD | +61,582 | -1,544 | -41,371 | -7,270 | ⭐ |
| CHF | -54,527 | +624 | +4,456 | +593 | ⭐⭐ |
Asset Manager = 年金基金や保険会社などの機関投資家。中長期のトレンドを反映しやすい。
Leveraged Money = ヘッジファンドなどの投機筋。短期的な値動きへの反応が早い。
先週比のポジション変化のグラフがこちらです。
▼カーソルを乗せると数値が表示されます
🗺 ヒートマップで見る直近の流れ
直近の変化がわかりやすいヒートマップがこちらです。
ヒートマップから読み取れるポイント
🔴 赤が目立つ通貨(ポジション縮小・売り方向)
・EUR Asset Mgr:先週に続き今週も深い赤。2週連続の大幅売りは利食いが本格化している証拠。Lev Moneyも3週連続で赤が続いていますね。
・GBP Asset Mgr:4週連続で強い赤が続き、売りのペースが衰える気配がありません。
・JPY Asset Mgr:今週は大きな赤(-13,068枚)。2/17の緑(+15,030枚)から一転、直近2週で連続の赤が続いてます。
🟢 緑が目立つ通貨(ポジション拡大・買い方向)
・AUD Asset Mgr:5週連続で鮮明な緑。今週の+18,301枚(約2,000億円)は5週間で最大の買い増し量で、勢いが衰えるどころか加速してる様子が伺えます。
・DXY Asset Mgr:今週、4週ぶりの鮮明な緑に転換(+4,538枚)。地政学リスクを背景にドルロング方向へのシフトが始まりました。
・CHF Asset Mgr:4週ぶりにわずかながら緑に転じました(+624枚)。売り一辺倒からの変化の兆しです。
📌 注意すべきパターン
・GBPではAsset Mgrが4週連続の強い赤に対し、Dealerが4週連続の緑と完全に対照的です。トレンドの偏りが極限に達しており、巻き戻し時のインパクトが大きくなるリスクがあります。
・EURのDealerが今週も大きな緑(+45,079枚)。Asset MgrとLev Moneyの売りに対する大規模なカバーが継続中です。
・AUDではAsset Mgrが緑(買い加速)なのに対し、Lev Moneyは2週連続で赤に転じています。AM主導のロングですが、投機筋が離脱し始めている点は要注意です。
🔍 通貨別の詳細分析
ここまで全体を俯瞰して見たので、次は各通貨のポジションを見ていきましょう。
EUR(ユーロ)⭐⭐⭐ 利食い第2波、加速する売り
Asset Managerのユーロロングは370,272枚(約8.5兆円)で、前週から-25,029枚(約5,700億円)の大幅減を記録しました。
先週の-18,412枚を大きく上回る売り量で、利食いが加速していることが伺えますね。
| 日付 | Asset Manager | 前週比 |
|---|---|---|
| 02/10 | 410,538 | +6,099 |
| 02/17 | 413,713(ピーク) | +3,175 |
| 02/24 | 395,301 | -18,412 |
| 03/03 | 370,272 | -25,029 |
2/17のピーク413,713枚から2週間で-43,441枚(約1兆円)が解消され、52週レンジでは91%→75%に低下。
Leveraged Moneyも-7,165枚(約1,600億円)と3週連続の減少。
一方、Dealerは+45,079枚(約1兆330億円)という巨額のカバー買いで対応しています。
📌 ポイント:利食いの加速は明確ですが、370,272枚のロングは依然として大きなポジションです。75%という位置は「高水準だがピークは過ぎた」という段階。今後のペースが維持されればEURUSD下落圧力が強まりますが、利食いが一巡して再度買い増しに転じる可能性も残ります。
GBP(ポンド)⭐⭐⭐ 52週最安値を更新、売りに歯止めなし
Asset Managerのポンドショートが4週連続で拡大し、-125,547枚(約1.7兆円)で52週最安値を更新。
52週レンジの0%に到達しています。
| 日付 | Asset Manager | 前週比 |
|---|---|---|
| 02/03 | -66,688 | +8,899 |
| 02/10 | -78,601 | -11,913 |
| 02/17 | -93,543 | -14,942 |
| 02/24 | -110,158 | -16,615 |
| 03/03 | -125,547 | -15,389 |
2/10からの4週間で-58,859枚(約7,800億円)ものショートが積み増されました。
Leveraged Moneyも今週は-5,645枚(約750億円)と売り方向に転じており、Dealerは+26,549枚(約3,500億円)と大幅なカバー買いを続けています。
📌 ポイント:52週最安値の更新は、ポジションがさらに極端な領域に入ったことを意味します。ここまで一方的な売り越しは、ショートカバーが入ればGBPUSD急伸の可能性を秘めています。一方で、ファンダメンタルズ(英経済指標、BOE政策)が売りを正当化し続ける限り、この偏りはさらに拡大する可能性もあります。
AUD(豪ドル)⭐⭐⭐ 5週連続の買い増し、しかしLMに陰り
Asset Managerの豪ドルロングは+28,878枚(約3,200億円)で、5週連続の買い増しにより52週最高値を更新し続けています。
今週の+18,301枚(約2,000億円)は5週間で最大の増加量です。
| 日付 | Asset Manager | Lev Money |
|---|---|---|
| 02/03 | -18,802 | 59,409 |
| 02/17 | 1,761 | 70,260(ピーク) |
| 02/24 | 10,577 | 64,653 |
| 03/03 | 28,878 | 54,635 |
5週間で-18,802枚から+28,878枚へ、実に+47,680枚(約5,300億円)のネット変動。
ショートからロングへの完全な転換です。
ただし、Leveraged Moneyは2週連続で減少しています(-5,607→-10,018枚)。
ピークの70,260枚から15,625枚(約1,700億円)減少しており、投機筋が利食いを始めている兆候です。
Asset Managerが買い加速中にLev Moneyが離脱し始めている乖離は気になるポイントです。
📌 ポイント:Asset Managerの強い買い意欲は中長期的なAUDUSD上昇バイアスを示唆しています。ただし、Leveraged Moneyの2週連続減少は短期的な過熱感を示すサインです。AMとLMの方向性が一致していた前週までと異なり、今週は乖離が見え始めています。短期的な調整を経てから改めてロング構築を検討するのが安全かもしれません。
JPY(円)⭐⭐ 円ロング急減、52週最低水準に接近
Asset Managerの円ロングは+17,904枚(約2,200億円)で、前週から-13,068枚(約1,600億円)の大幅減少。
52週レンジの0%と、ほぼ最低水準に到達しました。
2/17の40,546枚からわずか2週間で-22,642枚(約2,800億円)が解消されています。
注目すべきは、4週連続でショートカバー(買い戻し)を続けていたLeveraged Moneyが今週-7,908枚と売り方向に反転したことです。
Dealerは+36,260枚(約4,500億円)と巨額のカバーに回っています。
📌 ポイント:機関投資家の円ロング(=ドル円ショート)が急速に巻き戻されており、円安方向の圧力が強まる展開が示唆されます。ただし、日銀の追加利上げ観測や地政学リスクによる円買い需要が再燃すれば、この流れは一転する可能性もあります。
CAD(カナダドル)⭐ 高水準維持も動き鈍化
Asset ManagerのCADロングは+61,582枚(約7,200億円)で、52週レンジの97%と高水準を維持していますが、前週比-1,544枚と2週連続で微減しています。2/17のピーク68,564枚からは-6,982枚の減少。
Leveraged Moneyは-41,371枚(前週比-7,270枚、約850億円)と売り方向に反転しており、先週までのショートカバーの流れが止まりました。
📌 ポイント:Asset Managerのロングが高水準で頭打ちになりつつあります。Leveraged Moneyの売り転換と合わせると、USDCADの上昇(CAD安)リスクが高まっている局面です。
CHF(スイスフラン)⭐⭐ 極端なショートにわずかな変化の兆し
Asset Managerのフランショートは-54,527枚(約1.4兆円)で、前週の-55,151枚から+624枚とわずかに改善。
4週間売り続けた後の初めての買い戻しで、52週レンジの3%と依然として極端な水準です。
Leveraged Moneyは+4,456枚で52週レンジの100%。
Asset Managerが極端なショート、Leveraged Moneyが極端なロングという構図は継続しています。
📌 ポイント:4週ぶりのわずかなショートカバーは、底打ちの初期サインかもしれません。ただし+624枚は誤差の範囲とも言えます。引き続きリスクオフ局面でのフラン逃避買いが発生すれば、ショートカバーが一気に加速するリスクは健在です。SNBのフラン売り介入はショートポジションの支援材料ですが、リスクオフが先行すれば極端なポジションの巻き戻しに注意が必要です。
DXY(ドルインデックス)⭐ AMがネットロングに転換
Asset Managerが-3,549枚から+989枚にネットロング転換しました(前週比+4,538枚)。
数週間のショート方向から一転、ドル買い方向に転換しています。
一方でLeveraged Moneyは+850枚から-4,547枚とネットショートに転じました。
AMとLMが逆方向に動いており、ドルの方向感は混在しています。
💡 今週の注目テーマ
全体的にCOTレポートの分析を通じて、FX侍が今週注目するテーマがこちらです。
1. EUR利食い加速:ピークから1兆円の解消
EURのAsset Managerロングは、2/17のピーク413,713枚から2週間で43,441枚(約1兆円)が解消され、売りペースが加速しています(-18,412→-25,029枚)。
370,272枚のロングはまだ大きいですが、75%まで低下したことで「高水準だが崩れ始めた」というフェーズに入ったと見えますね。
2. GBP:52週最安値更新のインプリケーション
GBPのAsset Managerショートが-125,547枚と過去1年で最も極端な水準に達し、4週で-58,859枚の売り増し。
ここまで偏ったポジションは、何らかのトリガー(英指標のサプライズ、BOEタカ派シフト等)で一気にショートカバーが起きるリスクを高めます。
3. AUDの乖離:AMとLMの方向が分かれ始めた
AUDはAsset Managerが5週連続で買い加速する一方、Leveraged Moneyは2週連続で減少しています。
先週までは両者が同方向だったことがトレンドの信頼性を高めていましたが、今週はその前提が崩れ始めました。
AMの買い(中長期の構造的な流れ)とLMの利食い(短期的な過熱感の解消)、どちらが正しいかを見極める必要があります。
最後に一言
今週のCOTはイランの地政学リスクを受けての初動とも見れるでしょう。
原油や天然ガスといったエネルギー価格上昇に直結するので、ドル買いを基調とした動きがここまでの値動きからも見て取れます。
また今週のCOTのポジションを見ると、原油高→円売り・天然ガス高→ユーロ売りというセオリー的な動きが出ている様子もわかりますね。
この地政学リスクの終着点が見えてこない中、次回のCOTも注目です。
⚠️ 注意事項
- COTレポートは火曜日時点のデータが米国東部時間の金曜午後(日本時間土曜早朝)に公開されます。公開時点で3日、実際にトレードに反映できるのは翌週月曜日になるため、実質的に約1週間の遅延がある点に注意が必要です
- ポジションデータは方向のバイアスを示すものであり、エントリータイミングの判断には価格分析との併用が必要です
- 極端なポジションは「逆張りシグナル」として機能することがありますが、トレンドが継続する限りは順張り方向が有利です
- 円換算額は記事執筆時点の為替レート(EUR/JPY: 183.31、GBP/JPY: 211.61、AUD/JPY: 110.92、CAD/JPY: 116.27、CHF/JPY: 203.32、USD/JPY: 157.76)に基づく概算値です



















この記事へのコメントはありません。