COTレポート分析 2026年8月18日週
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COTレポート分析 2026年8月18日週

FX侍です、こんにちは。

もうすぐ夏休みも終わりですね。

子供たちは残念でしょうが、親としては肩の荷が降りてホッとします笑

立場が変われば思いも変わる。

そんな残酷な8月後半のCOTです。

 

先週からCPI、PPI、小売売上高、住宅着工、輸入物価といった指標はどれも弱い内容。

普通ならドル安に走りそうなものですが、ドル指数は集計週で0.17%しか下げていません。

なんでやねんヾ(ーー )

ただ今週のCOTには、その答えらしきものが数字で出ています。
中長期勢はドル買いを降ろし、短期勢は52週最高値までドル買いを積み増しました。

同じドルを見て、逆の動きをしています。

COTに関する基礎知識は、以下の解説記事をご覧くださいませ。

では今週のCOTレポートの分析へ参りましょう。

 

今週のCOTハイライト

今回のCOTは8月18日(火)時点のデータ。

ドル指数は集計週で0.17%しか動いていないのに、大口の持ち高は逆方向へ大きく動きました。
AMのドル買いは1.6万枚を割り、LMのドル買いは52週最高値を3週続けて更新しています。

COT集計期間内で重なっていた材料はこんな感じ。

・8/12 米7月CPIは前月比+0.1%と予想通りで、9月FOMCの利上げ織り込みは4割台へ低下
・8/13 米7月PPIが前月比0.0%と予想を下回る一方、クリーブランド連銀総裁は今すぐ利上げすべきと発言
・8/13 日本の7月輸入物価は円ベースで前年比+29.1%、契約通貨ベースの+17.7%との差が円安の分
・8/14 米7月小売売上高が-0.6%と9カ月ぶりの減少→アマプラ前倒しという特殊要因の可能性
・8/16 米イランの60日間の覚書交渉が合意も延長もないまま期限切れ、Brentは8/18に91ドル台へ
・8/17 中国7月の鉱工業生産+4.5%、小売+0.6%は予想割れ、日本の10年国債は2.930%と30年ぶりの高さ
・8/18 米30年国債が5.34%と2007年以来の高水準、ドル円は159.75円と介入後の戻り高値を更新
・8/19 米財務省は10〜30年債の買い入れ上限を9/9から倍増すると発表、長期金利とDXTが急低下(※)
(※は今回のCOT集計後の出来事です)

今週の建玉は、注目の3通貨がそろって結果待ちのまま組まれているのが特徴ですね。

円は追加の介入があるかどうか、カナダドルは50%の関税が本当に発動するかどうか、ドルはFRBが9月に利上げするかどうか、3つとも決定打がないまま組まれたCOTと言えるでしょう。

特に注目すべき3点

今週、特に大きく動いたのは以下の3通貨です。

1. JPY(円):LMが-14,901枚の売り直しで、円ショートの合計が再び1兆円台へ。
2. CAD(カナダドル):AMが+15,050枚と7通貨で最大の買い戻し、-10万枚を回復。
3. DXY(ドルインデックス):AMが1.6万枚を割り、LMは8,112枚で52週最高値を3週続けて更新。

推移をまとめた表がこちらです。

通貨 Asset Manager 前週比 Lev Money 前週比 注目度
EUR 237,426 +12,037 -57,716 +2,884 ⭐⭐
GBP -117,240 +2,623 42,877 +2,207 ⭐⭐
JPY -25,743 +508 -67,971 -14,901 ⭐⭐⭐
CAD -89,495 +15,050 -88,897 +3,108 ⭐⭐⭐
AUD -48,066 -5,387 52,108 +3,567 ⭐⭐
CHF -37,070 +1,252 -9,071 +2,361
DXY 14,998 -1,529 8,112 +2,340 ⭐⭐⭐

Asset Manager = 年金基金や保険会社などの機関投資家。中長期のトレンドを反映しやすい。
Leveraged Money = ヘッジファンドなどの投機筋。短期的な値動きへの反応が早い。

 

先週比のポジション変化のグラフがこちらです。

▼カーソルを乗せると数値が表示されます

 

🗺 ヒートマップで見る直近の流れ

直近の変化がわかりやすいヒートマップがこちらです。

ヒートマップから読み取れるポイント

🔴 赤が目立つ通貨(ポジション縮小・売り方向)
・JPY Lev Money:-14,901枚で-67,971枚。今週7通貨で最も大きい売りで、2週分の買い戻しの3割ほどが戻る
・AUD Asset Mgr:-5,387枚で-48,066枚。3週続けての売りで52週レンジは25%へ
・DXY Asset Mgr:-1,529枚で14,998枚。3週続けて減り、ついに1.6万枚を割り込む

🟢 緑が目立つ通貨(ポジション拡大・買い方向)
・CAD Asset Mgr:+15,050枚で今週最大の買い戻し。-10万枚を回復して52週レンジは11%へ
・EUR Asset Mgr:+12,037枚で237,426枚。3週続けての買い戻しで23万枚台を回復
・DXY Lev Money:+2,340枚で8,112枚。52週最高値を3週続けて更新
・CHF Lev Money:+2,361枚で-9,071枚。3週ぶりにまとまった動きが出る

📌 注意すべきパターン
・DXY:AMは1.6万枚を割り、LMは52週最高値。降りる側と積む側の差が3週続けて開く
・AUD:AMが-5,387枚の売り、LMが+3,567枚の買い。52週レンジは25%と79%で正反対のまま
・JPY:AMは+508枚とほぼ動かず、LMだけが-14,901枚の売り。先週は揃っていた向きが1週で分かれる

 

🔍 通貨別の詳細分析

ここまで全体を俯瞰して見たので、次は各通貨のポジションを見ていきましょう。

EUR(ユーロ)⭐⭐ 3週続けての買い戻しで23万枚台へ

AMの現在ポジションは237,426枚(約5兆5,080億円)の買い越し。

前週比+12,037枚(約2,792億円)の買い戻しで、3週続けて戻しました。

52週レンジは14%です。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
7/21 228,927 -18,389 -56,671 -2,980
7/28 209,326(52週最安値) -19,601 -65,198 -8,527
8/4 219,262 +9,936 -52,205 +12,993
8/11 225,389 +6,127 -60,600 -8,395
8/18 237,426 +12,037 -57,716 +2,884

先週のEURのポイントで挙げた23万枚の回復は、今週きっちり達成されました。

LMも-57,716枚(約1兆3,389億円)で前週比+2,884枚(約669億円)の買い戻しとなり、先週は逆を向いていた短期勢も向きを揃えています。

 

8/18のユーロ圏7月CPIは前年比+2.9%と6月の+2.8%から加速し、コアも+2.5%へ上昇。
同日のZEW景況感も31.4と予想の25を大きく超えてました。

ECBの9/10の利上げを約90%を織り込んでおり、そこへ向けて持ち高を戻した形にも見えますね。

ただ個人的には色々とごたつくドルの待避先として、ユーロ買いという背景もあると思ってます。
(要は積極的な買いじゃなくて、消去法的な買いってイメージです笑)

📌 ポイント:EURはAMが+12,037枚の買い戻しで237,426枚となり、先週この枠で挙げた23万枚の回復を達成しました。7/28の52週最安値209,326枚からは3週で28,100枚の戻りです。LMも+2,884枚で向きを揃え、7通貨のうちAMとLMと値動きの3つが揃った数少ない通貨になりました。AMが24万枚を回復すれば7月前半の水準がはっきり視野に入り、逆に22万枚を割り込めば今週の買い戻しが一過性だったことになります。9/10のECBまで3週を切り、織り込み済みの利上げでどこまで買い続けるかが分岐点ですね。

 

GBP(ポンド)⭐⭐ 良い数字にも悪い数字にも動かない

AMの現在ポジションは-117,240枚(約1兆5,885億円)の売り越し。

前週比+2,623枚(約355億円)の小幅な買い戻しで、3週続けて戻しました。

52週レンジは34%です。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
7/21 -119,089 +12,315 33,236 +4,695
7/28 -140,911 -21,822 41,097 +7,861
8/4 -125,814 +15,097 38,174 -2,923
8/11 -119,863 +5,951 40,670 +2,496
8/18 -117,240 +2,623 42,877 +2,207

先週のGBPのポイントで挙げた-11万枚の回復には、今週も届いていません。

一方のLMは42,877枚(約5,810億円)で前週比+2,207枚(約299億円)の買い増しとなり、52週レンジは99%とロングがさらに厚くなりました。

 

イギリスの指標は上下に割れています。

8/13の4-6月期GDPは前期比+0.4%。
1-3月期の+0.6%から鈍化しましたが、6月単月は+0.3%と予想を上回っています。

しかし8/18の雇用統計は失業率4.9%、雇用者数は+8.3万人と5カ月ぶりの弱さで、求人は2021年以来の低水準。

これらに対してポンドはほぼ無風でした笑

ただ金利の方は動いており、8/17の10年ギルト入札は40億ポンドが5.156%で落札され、利回りは7/23以来の高さに。

AMもLMも小動きだったので、動意待ち状態でしょうかね。

📌 ポイント:GBPはAMが+2,623枚の買い戻しで-117,240枚となり、3週続けて買い戻しが入っているものの、先週この枠で挙げた-11万枚には今週も届きませんでした。買い戻しの幅は+15,097枚→+5,951枚→+2,623枚と週を追って細っており、勢いは落ちています。一方でLMの52週レンジは99%とほぼ天井で、ロングの厚さだけが先週より増しました。AMの-11万枚を回復すれば7月前半の流れに復帰で、逆に-12.5万枚を割り込めば3週分の買い戻しの3分の1が消えます。8/17の入札で10年ギルトが5.156%まで乗ってきただけに、財政の話が出た際にこの厚いLMのロングがどう動くかが注視点ですね。

 

JPY(円)⭐⭐⭐ 買い戻しの輪から外れた1週

AMの現在ポジションは-25,743枚(約3,218億円)の売り越し。

前週比+508枚(約64億円)の小幅な買い戻しで、ほぼ動きませんでした。

52週レンジは34%です。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
7/21 -79,906 -26,089 -96,185 -5,724
7/28 -83,057(52週最安値) -3,151 -101,990 -5,805
8/4 -42,422 +40,635 -60,825 +41,165
8/11 -26,251 +16,171 -53,070 +7,755
8/18 -25,743 +508 -67,971 -14,901

先週のJPYのポイントで挙げた-2万枚の回復には、5,743枚届きませんでした。

問題はLMの方です。

前週比-14,901枚(約1,863億円)の売り直しで、7通貨で今週最大の売りが円で出ました。

AMとLMを合わせた円の売り越しは約1兆1,714億円で、先週一旦は割った1兆円をたった1週で復帰です。

中長期勢が様子見に回り、短期勢だけが円売りへ戻ったというのが今週の円の姿ですね。

 

まずは短期勢の動きを推測してみましょう。

先週のCOT基準日に出た話で、8/11に円の支援体制に関するこんな報道がありました。

ベッセント米財務長官は、円を支えるための資金に上限を設けない構えを見せていますが、その米財務省が介入に使える基金は2,200億ドル未満。

ちなみに、7/30の日本による単独介入時の推計が約530億ドルです。

単純に割れば、アメリカ側の玉は4回分ほどしかない計算。

そんなんじゃ無制限とは言えないよね、と市場に見透かされて円売りムーブ再来とも読めます。

 

ちなみに円安の弊害は着実に指標に出てきてます。

8/13の7月輸入物価は円ベースで前年比+29.1%。
契約通貨ベースでは+17.7%なので、差の11.4ポイント分が円安によるコスト増です。

8/17の4-6月期GDPも年率+1.1%と予想の+2.0%を下回り、個人消費は8四半期ぶりの減少でした。

中身はどちらも芳しくありませんが、元凶は輸入インフレ。

円を売る要因が円安という皮肉な結果とも言えますし、「そんなんで何回も利上げできるんかい?」という短期勢のメッセージとも受け止められます。

 

では中長期勢はなぜ動かなかったのか。

日本の金利は元気に上昇しています。

8/17に10年国債が2.930%となり、1996年9月以来の高さ。
8/12には2年国債も1.64%と31年ぶりの水準で、日銀の9月利上げは6〜7割を織り込み済み。

普通なら円を買い戻す理屈になりますが、同じ週にアメリカ側の金利も上昇。

米10年は8/18に4.75%と19カ月ぶりの高さ。
米30年に至っては8/17に5.3%台と、2007年6月以来19年ぶりです。

日米金利差はほとんど縮んでいません。

しかも市場では、この米30年の上昇には日本の金利上昇が波及したという見方も出ています。

日本の金利が上がったら、相手側も押し上げてしまう。

金利差だけでは動きづらい展開といえますね。

📌 ポイント:JPYはAMが+508枚とほぼ動かず、LMだけが-14,901枚を売り直して、合計の売り越しは約1兆1,714億円へ戻りました。先週この枠で書いたAMの-2万枚回復は5,743枚届かず、巻き戻しの第3週目には入れていません。160円という介入警戒ラインが目前なので、中長期勢が動きにくいのは分かりやすいですが、短期勢が売りに戻ってきたのは気になる所。AMが-2万枚を回復すれば巻き戻しの再開で、逆にLMが-8万枚を割り込めば介入前の持ち高へ本格的に戻り始めたサインです。日本の10年国債が30年ぶりの高さを付けてなおドル円が159円台という状態で、次にどちらが折れるかが分岐点ですね。

 

CAD(カナダドル)⭐⭐⭐ 6/30以来の水準まで買い戻し

AMの現在ポジションは-89,495枚(約1兆328億円)の売り越し。

前週比+15,050枚(約1,737億円)の大幅な買い戻しで、7通貨で今週最大の買いとなりました。

52週レンジは11%です。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
7/21 -98,165 +8,322 -98,377 -5,606
7/28 -101,160 -2,995 -102,495(52週最安値) -4,118
8/4 -101,314 -154 -101,748 +747
8/11 -104,545 -3,231 -92,005 +9,743
8/18 -89,495 +15,050 -88,897 +3,108

先週のCADのポイントで挙げたAMの-10万枚回復は、今週の+15,050枚で達成されました。

LMも-88,897枚(約1兆260億円)で前週比+3,108枚(約359億円)の買い戻しとなり、今週はAMと向きが揃いました。

 

集計期間のカナダの動きを見てみましょう。

8/17のカナダ7月CPIが前年比+3.0%で、予想の+2.9%を上回る結果。

カナダ中銀が目標としている1〜3%の上限に届いた形で、その直後にカナダドルは約0.2%上げて1.3850付近と2週間ぶりの高値を付けています。

そして関税問題。

約200億ドル相当のカナダ製品への50%関税が、8月19日に発動予定でした。

COT集計基準日となる8月18日も交渉が続き、関税発動への警戒が残ったまま集計を終えています。

しかしその後、動きがありました。
発動予定の約1時間半前に、トランプ大統領が発動を3日間延期すると発表。

つまり今回のCOTは「関税延期が決まる前のポジション」として見る必要があります。

次回のCOTで動きがあるのか注目すべきポイントです。

📌 ポイント:CADはAMが+15,050枚の買い戻しで-89,495枚となり、先週この枠で書いた-10万枚の回復を1週で達成しました。7/28からの3週で積んだ6,380枚の売りを1週で倍以上戻した計算で、-89,495枚は6/30以来の高さです。先週は「関税の着地でどちらかが折れる」と書きましたが、折れたのは売りを重ねていた中長期勢の方でした。AMが-8万枚を回復すれば7月前半の水準に戻り、逆に-10万枚を割り込めば今週の買い戻しが関税待ちの一時的なものだったことになります。8/18夜に関税は3日間の猶予となりましたが、自動車などは残ったままなので、次回のCOTで買い戻しが続くかどうかが注目点ですね。

 

AUD(豪ドル)⭐⭐ 10週ぶり高値の裏で3週続けての売り

AMの現在ポジションは-48,066枚(約5,478億円)の売り越し。

前週比-5,387枚(約614億円)の売り増しで、3週続けて売られました。

52週レンジは25%です。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
7/21 -35,144 +5,425 24,788 -2,434
7/28 -31,709 +3,435 27,618 +2,830
8/4 -34,219 -2,510 40,637 +13,019
8/11 -42,679 -8,460 48,541 +7,904
8/18 -48,066 -5,387 52,108 +3,567

先週のAUDのポイントで挙げたAMの-5万枚割れまで、残り1,934枚まで近づきました。

LMは52,108枚(約5,938億円)で前週比+3,567枚(約406億円)の買い増しで、4週続けての買いです。

 

面白いのは、オージードルが集計週で+0.75%上げ、8/17-18には約10週ぶりの高値を付けている点。

上がっている通貨をAMだけが売り続けているので、価格に逆らった側がどこかで投げるかどうかという構図になっています。

📌 ポイント:AUDはAMが-5,387枚の売り増しで-48,066枚となり、先週この枠で挙げたAMの-5万枚割れまで1,934枚に迫りました。同じ週にLMは+3,567枚を買っており、52週レンジは25%と79%で正反対の場所のまま。豪ドルが10週ぶりの高値を付けた週に中長期勢だけが売りを重ねているので、価格に逆らった側の持ち高がどこまで耐えるかに注目。AMが-4.5万枚を回復すれば売り増しの流れが止まる兆しで、逆に-5万枚を割り込めば7月前半より売り越しが膨らみます。8/20に豪7月雇用が-1.58万人・失業率4.5%と悪化したので、逆らって売っていた側の読みが結果として当たった形ですが、価格は下がっていないので次回の動きも要チェック。

 

CHF(フラン)⭐ 3週ぶりに短期勢が買い戻す

AMの現在ポジションは-37,070枚(約9,192億円)の売り越し。

前週比+1,252枚(約310億円)の小幅な買い戻しで、3週続けて小さく戻しています。

52週レンジは80%です。

LMは-9,071枚(約2,249億円)で前週比+2,361枚(約585億円)の買い戻しとなり、変化の幅は7/7以来の大きさになりました。

先週のCHFのポイントで挙げた-3.5万枚の回復も-4.5万枚割れも、今週は届いていません。

スイスフランはキャリー通貨として注目が集まっているとの話を目にするようになっているので、巻き戻しが起きれば大きな動きが出やすい地合いになりつつある気がします。

📌 ポイント:CHFはAMが+1,252枚の買い戻しで-37,070枚、LMが+2,361枚の買い戻しで-9,071枚となり、今週はどちらもショートが削られました。先週この枠で挙げた-3.5万枚の回復までは2,070枚で、じわじわとですが近づいてきました。今週はスイス国内の材料がほとんどなく、地政学の悪化が来ても集計週のドルスイスは+0.09%と動いていません。-3.5万枚を回復すればショートの解消が進み、逆に-4万枚を割り込めば今週の買い戻しが誤差だったことになります。集計後にドルスイスは-1.20%と7通貨で最も大きくフラン高へ振れたので、次回のCOTで数字が付いてくるかが注視点ですね。

 

DXY(ドルインデックス)⭐⭐⭐ ついに割れた1.6万枚

AMの現在ポジションは14,998枚の買い越し。

前週比-1,529枚の売りで、3週続けて持ち高を落としました。

52週レンジは77%です。

日付 Asset Manager AM前週比 Lev Money LM前週比
7/21 19,851 -2,188 -1,938 +2,928
7/28 21,612 +1,761 -1,601 +337
8/4 18,095 -3,517 3,849 +5,450
8/11 16,527 -1,568 5,772 +1,923
8/18 14,998 -1,529 8,112(52週最高値) +2,340

2週続けて数百枚差で止まっていた1.6万枚を、今週ようやく割り込みました。

先週のDXYのポイントで「1.6万枚を割り込めば持ち高整理がもう一段進む」と書いた通りの結果です。

一方のLMは8,112枚で前週比+2,340枚の買い増しとなり、52週最高値を3週続けて更新しました。

 

集計期間の中身は、本来ならドルにとって逆風となる数字ばかりでした。

・8/12の7月CPIは前月比+0.1%と予想通り
・8/13の7月PPIは前月比0.0%と予想の+0.2%を下回る
・8/14の7月小売売上高は-0.6%と9カ月ぶりの減少
・8/18にも住宅着工が123.9万戸と予想の134.5万戸を割り、輸入物価も-0.4%と予想外のマイナス

FRBの9月利上げの織り込みは、これらを受けて34%台まで下落。

それでもドル指数は99.82から99.65へ、率にして0.17%しか下げていません。

その理由は長い年限の金利です。

米30年国債は8/18に5.34%と2007年以来の高さを付け、10年も4.75%と19カ月ぶりの水準まで上昇。

Brentが上昇し、米7月の財政赤字が同月として過去最大の4,320億ドルになったことが、将来の物価と国債の需給を読みにくくしています。

短い年限はFRBの政策を、長い年限は原油と財政と将来のインフレを見る。

今のドルは後者の長い年限の金利に引っ張られていると見ています。

ただし今回のCOTは米財務省による長期債のバイバックは含まれていないので、次回の動きが重要です。

📌 ポイント:DXYはAMが-1,529枚の売りで14,998枚となり、2週続けて数百枚差で止まっていた1.6万枚をついに割り込みました。3週で6,614枚を落とした計算で、中長期勢のドル買いは着実に薄くなっています。対するLMは+2,340枚で8,112枚と52週最高値を3週続けて更新し、降りる側と積む側の差は今週も開きました。AMが1.6万枚を回復すれば投げは一服で、逆に1.4万枚を割り込めば7月からの整理がさらに一段進みます。8/19に米財務省がバイバックの倍増を発表して長期金利とDXYが急低下。長い年限の金利を頼りにしていた短期勢のドル買いが次回どうなるかが分岐点ですね。

 

💡 今週の注目テーマ

全体的にCOTレポートの分析を通じて、FX侍が今週注目するテーマがこちらです。

1. 政策金利の予想と長い年限の金利が逆を向いた

今週最も大きな数字は、8/17の米30年国債5.3%台です。
(2007年6月以来、19年ぶりの水準)

同じ週に、FRBの9月利上げの織り込みは34.4%まで低下。

利上げ予想は下がって、長い年限の金利は上がる。

普段なら同じ方を向くはずの2つが、今週は真逆でした。

しかもこれはアメリカだけの話ではありません。

日本でも8/17に10年国債が2.930%と、1996年9月以来の高さを付けています。

日米揃って、中銀の次の一手とは別のところで金利が上がっているわけです。

長い年限が見ているのは将来の物価や財政で、今週はそれが政策金利以上に意識されている形です。

その中で52週最高値までドル買いを積んだのが短期勢というのが、今週のポイントだったかもしれません。

 

2. 今週の建玉には2つの答えが入っていない

今回のCOTは8/18時点のデータです。

その直後に、大きな動きが2つ出ました。

1つはカナダの関税。
約200億ドル相当のカナダ製品への50%関税は8/19が発動の期限でしたが、8/18夜にトランプ大統領が3日間の猶予を表明。

もう1つが米国債です。
8/19に米財務省が、10〜30年債の買い入れ上限を9/9から1回20億ドル→40億ドルへ倍増すると発表しました。

長い年限の金利は急低下し、ドル指数は99を割っています。
(その後すぐにリバウンドしてますが)

つまり今週のCOTは、どちらの答えも見ないまま積まれたポジション。

CADのAMが+15,050枚を買い戻したのは、関税が回避されるかどうか分からない段階での判断です。
DXYのLMが52週最高値までドル買いを積んだのも、長い年限の金利が高いままだという前提でした。

次回のCOTには、この2つへの反応が注目でしょう。

 

3. 買い戻しの輪から円だけが蚊帳の外に

今週は7通貨のうち5通貨でAMの買い戻しが入りました。

EURが+12,037枚、CADが+15,050枚、GBPが+2,623枚、CHFが+1,252枚、JPYが+508枚。

売り増したのはAUDだけで、DXYはドル買いを落とす方向。

つまりドル以外を買い戻す流れが今週の基調だったのに、円だけがLMの-14,901枚という際立った別方向の動きに。

AMがほぼ動かなかったのは160円の警戒ラインが近いからでしょうが、その手前で短期勢だけが売りに戻ってきたのは事実です。

次回のCOTで、このLMの大きな売りが続くのかを見ておきたいところです。

 

最後に一言

先週は、材料が出揃っているのに動かない側の話でした。

今週も動きが鈍いままだったのは中長期勢。

ドル買いは1.6万枚を割り、円は+508枚でほぼ据え置き。

対する短期勢は、ドル買いを52週最高値まで積み増し、円では今週最大の売りを出しました。

同じ材料を見ていて、待つ側と乗る側がここまで分かれた週も珍しいです。

そしてその答え合わせが、基準日の直後に来ましたね。

CADの関税は猶予され、長い年限の米金利は米財務省の手で下げられた。

待っていた側が正しかったのか、乗っていた側が正しかったのか。

次回のCOTは見どころが多いですね

 

⚠️ 注意事項

  • COTレポートは火曜日時点のデータが米国東部時間の金曜午後(日本時間土曜早朝)に公開されます。公開時点で3日、実際にトレードに反映できるのは翌週月曜日になるため、実質的に約1週間の遅延がある点に注意が必要です
  • ポジションデータは方向のバイアスを示すものであり、エントリータイミングの判断には価格分析との併用が必要です
  • 極端なポジションは「逆張りシグナル」として機能することがありますが、トレンドが継続する限りは順張り方向が有利です
  • 円換算額は記事執筆時点の為替レート(EURJPY 185.59、GBPJPY 216.79、AUDJPY 113.96、CADJPY 115.41、CHFJPY 198.38)に基づく概算値です

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