COTレポート分析 2026年8月25日週
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COTレポート分析 2026年8月25日週

FX侍です、こんにちは。

先日の夜中、名古屋で猛烈な雷。
地鳴り?と思うほどの振動で、窓ガラスがビリビリ揺れるほど。

雷でこんな経験は初めてで、流石に恐怖を感じました((((;゚Д゚))))

そして全国各地で大雨での被害。

みなさま、くれぐれもお気をつけくださいませ。

 

さて本題へ。

今回のCOT公開後に、昨日のジャクソンホール。
COTのデータと今現在の値動きに大きな差がある点は要注意です。

しかし見るべきポイントはあります。

今週はポジションの大整理が起きた週。

7通貨のうち6通貨で中長期勢がドル以外を買い方向へ動かし、先週挙げた閾値のうち4つがまとめて買い戻し側へ抜けました。

その裏で、短期勢だけがドル買いを52週最高値まで積み増しています。

COTに関する基礎知識は、以下の解説記事をご覧くださいませ。

では今週のCOTレポートの分析へ参りましょう。

 

今週のCOTハイライト

今回のCOTは8月25日(火)時点のデータ。

ドル指数は集計期間に0.73%下げ、7通貨のうち6通貨でAMがドル以外を買い方向へ動かしました。

しかしDXYは、AMが前週比-980枚とドル買いを減らす中で、LMは+1,077枚と増やして52週最高値。

降りる側と積む側の差が4週続けて開きました。

COT集計期間内で重なっていた材料はこんな感じ。

・8/19 米財務省が10〜30年債の買い戻しを最低40億ドルへ倍増、長期金利とドル円が急低下
・8/19 7月FOMC議事要旨が公表、多くの参加者が追加の引き締めが必要になると認識
・8/19 英7月CPIが前年比+2.9%と4カ月ぶりの高さ、ただし数字は予想どおり
・8/21 ユーロ圏8月の総合PMI速報が52.1と昨年11月以来の高さ、製造業は52.8
・8/22 米加交渉が決裂し、対カナダ50%関税が発効(約200億ドル相当・500品目超)
・8/25 米の対イラン二次制裁が予告ほどの内容でなく、Brentは-3.9%の88.58ドルへ
・8/28 ウォーシュFRB議長の初講演で9月利上げ観測が強まり、ドル指数は0.77%上昇(※)
(※は今回のCOT集計後の出来事です)

今週は、7月に積み上げたドル以外の売りをまとめて畳んだイメージですかね。

特に注目すべき3点

今週、特に大きく動いたのは以下の3通貨です。

1. CAD(カナダドル):50%関税が発効した週に、AMが+30,552枚と7通貨で最大の買い戻し。
2. EUR(ユーロ):AMが+24,000枚で261,426枚、4週続けての買い増しで26万枚台へ。
3. DXY(ドルインデックス):AMは1.4万枚まで残り18枚、LMは52週最高値を4週続けて更新。

推移をまとめた表がこちらです。

通貨 Asset Manager 前週比 Lev Money 前週比 注目度
EUR 261,426 +24,000 -38,359 +19,357 ⭐⭐⭐
GBP -104,491 +12,749 47,909 +5,032 ⭐⭐
JPY -20,116 +5,627 -77,042 -9,071 ⭐⭐
CAD -58,943 +30,552 -72,092 +16,805 ⭐⭐⭐
AUD -45,427 +2,639 54,061 +1,953
CHF -28,655 +8,415 -8,825 +246 ⭐⭐
DXY 14,018 -980 9,189 +1,077 ⭐⭐⭐

Asset Manager = 年金基金や保険会社などの機関投資家。中長期のトレンドを反映しやすい。
Leveraged Money = ヘッジファンドなどの投機筋。短期的な値動きへの反応が早い。

 

先週比のポジション変化のグラフがこちらです。

▼カーソルを乗せると数値が表示されます

 

🗺 ヒートマップで見る直近の流れ

直近の変化がわかりやすいヒートマップがこちらです。

ヒートマップから読み取れるポイント

🔴 赤が目立つ通貨(ポジション縮小・売り方向)
・JPY Lev Money:前週比-9,071枚で、売り越しは-77,042枚へ。今週7通貨で唯一のまとまった売り
・DXY Asset Mgr:前週比-980枚で、買い越しは14,018枚へ。4週続けての減少で、1.4万枚割れまで残り18枚

🟢 緑が目立つ通貨(ポジション拡大・買い方向)
・CAD Asset Mgr:前週比+30,552枚と今週最大の買い戻しで、売り越しは-58,943枚へ。52週レンジは28%
・EUR Asset Mgr:前週比+24,000枚で、買い越しは261,426枚へ。4週続けての買い増しで26万枚台を回復
・EUR Lev Money:前週比+19,357枚で、売り越しは-38,359枚へ。短期勢の変化としては今週7通貨で最大
・CHF Asset Mgr:前週比+8,415枚で、売り越しは-28,655枚へ。52週最高値を更新し最も薄いショートに
・GBP Lev Money:前週比+5,032枚で、買い越しは47,909枚へ。こちらも52週最高値を更新

📌 注意すべきパターン
・DXY:AMは4週続けての減少。LMは52週最高値を4週続けて更新し、降りる側と積む側の差がさらに開く
・JPY:AMは+5,627枚の買い戻し、LMは-9,071枚の売り。逆向きが2週続いた唯一の通貨
・CHF:AMが+8,415枚と大きく動いた一方、LMは+246枚でほぼ反応なし。52週レンジは100%と27%で正反対

 

🔍 通貨別の詳細分析

ここまで全体を俯瞰して見たので、次は各通貨のポジションを見ていきましょう。

EUR(ユーロ)⭐⭐⭐ 消去法の買いに自前の材料が付いた

AMの現在ポジションは261,426枚(約6兆595億円)の買い越し。
前週比+24,000枚(約5,563億円)の大幅な買い増しで、4週続けて積み増しました。

LMは-38,359枚(約8,891億円)の売り越しで、前週比+19,357枚(約4,487億円)の大幅な買い戻し
短期勢の変化としては、今週7通貨で最大でした。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 209,326 -19,601 0% -65,198 -8,527 0%
8/4 219,262 +9,936 5% -52,205 +12,993 11%
8/11 225,389 +6,127 8% -60,600 -8,395 4%
8/18 237,426 +12,037 14% -57,716 +2,884 6%
8/25 261,426 +24,000 25% -38,359 +19,357 22%

先週のポイントで挙げた24万枚の回復は、今週の+2.4万枚で飛び越えています。

 

この期間中、ユーロ圏の方向性が綺麗に揃いました。

8/21の8月総合PMI速報は52.1と、昨年11月以来の高さ。
製造業は52.8で4年超ぶりの水準まで戻し、輸出向けの受注も2022年2月以来のプラスに転じています。

8/25にはドイツのIFO業況指数が88.8と予想の87.2を上回り、4カ月続けての改善。
同日発表のドイツ4-6月期GDPも前期比+0.3%へ上方修正されました。

そして8/24に出たECBの7月議事要旨には、9月の利上げが「おそらく必要になる」との記述。

9/10の理事会での0.25%利上げは、市場がほぼ100%織り込んでいます。

中長期勢が4週かけて買い戻しているのは、利上げを当てにしたからというより、7月に積み上げた売りを景気の数字が次々に否定していったから、という背景に見えますね。

短期勢も2週続けてショートを削っています。

個人的には、消去法で選ばれていたユーロに、ようやく自前の材料が付いてきた週という印象ですね。

📌 ポイント:EURはAMが+2.4万の買い増しで261,426枚となり、先週挙げた24万枚を一気に飛び越えました。7/28の52週最安値から4週で52,100枚を戻した計算で、LMも+19,357枚と短期勢では今週最大の買い戻しです。値動きも集計週で+0.74%と付いてきており、中長期勢・短期勢・価格の3つが揃った週になりました。AMが27万枚を超えれば6/16以来の水準に戻り、逆に25万枚を割り込めば今週の勢いが行き過ぎだったことになります。9/10のECBまで2週を切り、織り込み済みの利上げを通過した後も買いが続くかが分岐点ですね。

 

GBP(ポンド)⭐⭐ 動いたのは景気ではなく金利の見方

AMの現在ポジションは-104,491枚(約1兆4,142億円)の売り越し。
前週比+12,749枚(約1,725億円)の大幅な買い戻しで、4週続けて戻しました。

LMは47,909枚(約6,484億円)の買い越しで、前週比+5,032枚(約681億円)の買い増し
ロングは52週最高値まで積み上がりました。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 -140,911 -21,822 14% 41,097 +7,861 95%
8/4 -125,814 +15,097 27% 38,174 -2,923 88%
8/11 -119,863 +5,951 32% 40,670 +2,496 94%
8/18 -117,240 +2,623 34% 42,877 +2,207 99%
8/25 -104,491 +12,749 46% 47,909 +5,032 100%

先週のポイントで挙げた-11万枚の回復は、今週きっちり達成されています。

細っていた買い戻しの幅も、+2,623枚から+12,749枚へ一気に戻りました。

 

今回のポンド買いを支えたのは、BoEの年内利上げ観測です。

8/19の7月CPIは前年比+2.9%と予想どおりでしたが、6月の+2.6%から再加速。
さらに8/21のサービスPMIは52.8と予想51.8を上回り、景気も思ったほど弱くないことを示しました。

つまりインフレは高めのまま、景気も利上げできないほど弱くない。

この組み合わせでBoEの利上げ観測が残り、ポンドドルは集計週で+0.65%。

そこへドル安も重なり、AMの売り越し縮小とLMの買い増しが同時に進んだ週と見ています。

📌 ポイント:GBPはAMが+12,749枚の買い戻しで-104,491枚となり、先週この枠で挙げた-11万枚の回復を達成しました。買い戻しの幅は3週続けて細っていたのに、今週だけ一気に5倍近くへ戻っています。LMは47,909枚で52週最高値を更新し、ロングの厚さは1年で最大に。AMが-9万枚を回復すれば4月下旬以来の薄さになり、逆に-11.5万枚を割り込めば今週の動きだけで終わったことになります。年内の利上げ観測が支えになっている以上、次の物価と雇用のどちらが先に折れるかが注視点ですね。

 

JPY(円)⭐⭐ 利上げが近いのに短期勢は売り直し

AMの現在ポジションは-20,116枚(約2,514億円)の売り越し。
前週比+5,627枚(約703億円)の買い戻しで、4週続けて戻しました。

LMは-77,042枚(約9,630億円)の売り越しで、前週比-9,071枚(約1,134億円)の売り直し
2週続けて売られています。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 -83,057 -3,151 0% -101,990 -5,805 14%
8/4 -42,422 +40,635 24% -60,825 +41,165 61%
8/11 -26,251 +16,171 34% -53,070 +7,755 70%
8/18 -25,743 +508 34% -67,971 -14,901 53%
8/25 -20,116 +5,627 37% -77,042 -9,071 43%

先週のJPYのポイントで挙げたAMの-2万枚回復には、116枚だけ届きませんでした。

AMとLMを合わせた円の売り越しは約1兆2,145億円。

中長期勢は買い戻し、短期勢は売り直す。
この分かれ方が2週続いたのが今週の円です。

では、それぞれの理由を探ってみましょう。

 

まずAM。

日銀の9月利上げは、集計期間中の金利市場で8割近くまで織り込まれていました。

8/21の7月全国CPIも、生鮮食品を除く総合が前年比+1.8%と6月の+1.6%から加速。
予想どおりだったものの、少なくとも日銀の利上げ観測を後退させる数字ではありません。

さらにドル円は160円に近く、7月末には実際に日米協調介入も入っています。

AMからすれば、日銀利上げと再介入の両方を警戒しながら円ショートを抱え続ける必要は薄く、4週続けて買い戻したと考えられます。

 

ただし、ここで面白いのがLMです。

短期勢は逆に-9,071枚の売り直し。
しかも2週続けて円ショートを増やしています。

理由として考えやすいのは、円買い材料が出ても実際の円高につながらなかったこと。

9月利上げを8割近くまで織り込んでも、集計週のドル円は-0.13%とほぼ横ばいでした。

米財務省による長期債買い戻し拡大で米長期金利が低下する場面まであったのに、円高は続かず。

利上げ期待が高まり、米金利まで低下している。

それでも円が上がらないなら、短期勢からすれば「まだ円ショートを畳む必要はない」と判断しやすい場面だったのでしょう。

 

AM=日銀利上げと介入を警戒して円売りを縮小
LM=それでも円が上がらないのを見て再び円売り

こんな違いが出たと推測できますね。

そして8/28には、財務省から7/30〜8/26の円買い介入額が15兆3,993億円だったことも判明。

これまでの最大はゴールデンウィーク期の11兆7,300億円ですから、規模が一段違います。

月次では過去最大。

それでもドル円は再び160円近辺まで戻っています。

もちろん8/28の160円回復には米国側のドル買い材料も入っているので、これだけで「LMの読みが正しかった」とまでは言えません。

でも過去最大規模の介入と9月利上げ観測があっても、円高が定着していないという現状は見逃せません。

日銀側から円ショートを本格的に巻き戻す材料が出てくるのか、今後のポイントになりそうだと感じます。
(おそらく政府からは出てこなさそうなので…)

📌 ポイント:円は上も下も届かないまま、中長期勢と短期勢が2週続けて反対を向いた状態。AMは前週比+5,627枚の買い戻しで-20,116枚となり、先週挙げた-2万枚の回復まで116枚。LMは-9,071枚の売り直しで-77,042枚となり、-8万枚割れまで2,958枚を残しました。次回はAMが-1.5万枚を回復して買い戻しが再開するか、LMが-8.5万枚を割り込んで介入前の持ち高へ戻るかが注目。過去最大の介入を挟んで、集計後の8/28には160円台へ戻った場所です。次にどちらが折れるかが分岐点ですね。

 

CAD(カナダドル)⭐⭐⭐ 関税が発効した週に7通貨で最大の買い戻し

AMの現在ポジションは-58,943枚(約6,784億円)の売り越し。
前週比+30,552枚(約3,516億円)の大幅な買い戻しで、7通貨で今週最大の買いとなりました。

LMは-72,092枚(約8,297億円)の売り越しで、前週比+16,805枚(約1,934億円)の大幅な買い戻し
短期勢も4週続けて戻しています。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 -101,160 -2,995 4% -102,495 -4,118 0%
8/4 -101,314 -154 4% -101,748 +747 1%
8/11 -104,545 -3,231 2% -92,005 +9,743 15%
8/18 -89,495 +15,050 11% -88,897 +3,108 19%
8/25 -58,943 +30,552 28% -72,092 +16,805 43%

先週のCADのポイントで挙げた-8万枚の回復は、今週の+30,552枚で大きく飛び越えました。

AMは7通貨で最大の買い戻し、LMも+16,805枚と大きくCAD売りを減らしています。

ただこれは「50%関税が発効したのに買われた」と考えるより、集計週の前半を見る方が分かりやすいです。

 

8/19、トランプ大統領が50%関税の発動を3日間延期。

交渉妥結への期待からCADは2カ月半ぶりの高値まで買われました。

翌8/20には原油高とドル安も加わり、約3カ月ぶりの高値まで上昇。
さらに8/21のカナダ小売売上高も前月比+0.6%と予想+0.4%を上回っています。

原油もこの時点では強く、WTIは8/21に87.06ドルで清算。週間では+5.66%でした。

つまり週前半は「関税回避への期待+原油高+カナダ指標の改善+ドル安」と、CADショートを買い戻しやすい材料が重なっていたといえます。

 

ところが…状況は一変。

米加交渉は決裂し、8/22には約200億ドル相当のカナダ製品への50%関税が発効。
カナダも同額規模の報復関税を発表しました。

それでもドルカナダは集計週で-0.21%。

週後半の悪材料でも、前半のCAD買いをすべて吐き出すまではいかなかったという印象ですね。

そして基準日の8/25にはBrentが-3.9%の88.58ドルまで急落。

イラン制裁が事前予想ほど強くなかったことで、CADを支えていた原油高にもブレーキがかかる結果。

同日にはカナダ側から報復関税の詳細も発表されています。

ただし8/25はCOTの基準日そのものなので、この原油急落と報復関税を今回のポジションがどこまで反映しているかは未知数。

こうした材料を次回のCOTでどこまで反映したかを確認というイメージですね。

📌 ポイント:CADはAMが+30,552枚の買い戻しで-58,943枚となり、先週挙げた-8万枚の回復を大きく飛び越えました。7/28に付けた52週最安値-102,495枚からは、LMも4週で30,403枚を戻しています。ただしこの数字は、基準日当日の原油急落とカナダ側の報復関税の発表を完全には織り込めていないでしょう。AMが-5万枚を回復すれば5月以来の薄さになり、逆に-7万枚を割り込めば今週の買い戻しが行き過ぎだったことになります。関税の答えは出ましたが、原油という2本目の支えが外れた後にどうなるかが、次回のCOTの見どころですね。

 

AUD(豪ドル)⭐ 3週続いた売り増しが止まる

AMの現在ポジションは-45,427枚(約5,207億円)の売り越し。
前週比+2,639枚(約303億円)の買い戻しで、3週続いた売り増しが止まりました。

LMは54,061枚(約6,197億円)の買い越しで、前週比+1,953枚(約224億円)の買い増し
5週続けての買いですが、買い戻し幅は細ってきました。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 -31,709 +3,435 37% 27,618 +2,830 52%
8/4 -34,219 -2,510 35% 40,637 +13,019 66%
8/11 -42,679 -8,460 29% 48,541 +7,904 75%
8/18 -48,066 -5,387 25% 52,108 +3,567 79%
8/25 -45,427 +2,639 20% 54,061 +1,953 82%

8/20の7月雇用は就業者数が-1.58万人、失業率は4.5%と弱い内容。

それでもオージードルはバイバックでのドル安も背景に、集計週で+0.66%と値を保っています。

基準日当日の8/25には、RBAの8月会合の議事要旨で0.25%の利上げが議論されたうえでの全会一致の据え置きだったことが分かりました。

・雇用悪化 → RBA利上げ期待にはブレーキ
・ドル安+RBAのインフレ警戒 → 豪ドルの下値を支える

という材料が同居した週です。

AMは3週続けていた豪ドル売りを一旦止め、LMは買いを増やしたものの弱い雇用を見て手を弱めた。

今回のCOTはその温度差が出た印象ですね。

📌 ポイント:AUDはAMが+2,639枚の買い戻しで-45,427枚となり、先週挙げた-4.5万枚の回復まで427枚に迫りました。AMは3週続いた売り増しが止まり、LMの買いは+1,953枚と5週で最も細くなりました。両サイドとも勢いを欠いています。52週レンジはAMが20%、LMが82%と正反対の場所にいる構図は変わりません。AMが-4万枚を回復すれば売り越しの整理が本格化し、逆に-5万枚を割り込めば7月前半より重い持ち高に戻ります。弱い雇用でも下がらなかった値動きに、どちら側が先に合わせにいくかが見どころですね。

 

CHF(フラン)⭐⭐ ドルが売られた時に、最も買われた通貨

AMの現在ポジションは-28,655枚(約7,080億円)の売り越し。
前週比+8,415枚(約2,079億円)の大幅な買い戻しで、4週続けて戻しました。

LMは-8,825枚(約2,181億円)の売り越しで、前週比+246枚(約61億円)の小幅な買い戻し
ほとんど動いていません。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 -40,201 -2,643 67% -9,647 -750 23%
8/4 -39,767 +434 69% -10,084 -437 20%
8/11 -38,322 +1,445 75% -11,432 -1,348 13%
8/18 -37,070 +1,252 80% -9,071 +2,361 26%
8/25 -28,655 +8,415 100% -8,825 +246 27%

先週のCHFのポイントで挙げた-3.5万枚の回復は、今週の+8,415枚で一気に達成しました。

-28,655枚は、52週で最も売り越しが薄い水準です。

 

今回のポイントは、フラン安材料があったのにAMが大きくショートを減らしたこと。

スイス国内では8/20の7月貿易収支がかなり強く、輸出は前月比+13.8%。
貿易黒字も81億スイスフランと過去最大を記録しました。

同日には中国とのFTA改定交渉も妥結し、スイスから中国への輸出の99.8%が無税対象になると発表。

一方でフラン売り材料もありました。

8/19には円への介入リスクを嫌った投資家が、キャリー取引の調達通貨を円からフランへ移し始めているとReutersが報道。

さらに8/22に公表されたSNBチュディン理事のインタビュー。
必要なら政策金利を0%より下へ引き下げることも明言しています。

それでもAMは+8,415枚の大幅な買い戻し。

理由として考えやすいのが、集計週に起きた強烈なドル売りです。

 

8/19に米財務省が長期国債の買い戻し倍増を発表すると、ドルスイスは大きく下落。
この日のフランは対ドルで+1.65%。ユーロの+0.78%、円の+0.70%を大きく上回りました。

集計週でもドルスイスは-1.06%と、7通貨の中で最も大きなドル安・フラン高です。

つまり貿易黒字などの国内材料に加えて、ドル売り局面でフラン買いが突出したことで、AMがショートを大きく減らしたと考えられますね。

最近はドル売りの際にフラン買いが強い傾向と感じるので、この動きに今後も注目しておきたいところです。

📌 ポイント:AMは前週比+8,415枚の買い戻しで-28,655枚となり、先週挙げた-3.5万枚の回復を飛び越えて52週最高値を更新しました。1年で最も薄いショートまで来た一方、LMは+246枚とほぼ動かず、52週レンジはAMが100%とLMが27%でねじれたまま。スイス国内はマイナス金利の示唆という売り材料も抱えており、今週の買い戻しはフラン自身の強さというよりドル安の受け皿として起きた面が大きいと見ています。AMが-2.5万枚を回復すればショートの解消はほぼ一巡し、逆に-3.5万枚を割り込めば今週の動きが行き過ぎだったことになります。集計後にドルが戻してドルスイスも+0.91%へ振れただけに、ドル次第で最も戻りやすいのもフランだという点が注視点ですね。

 

DXY(ドルインデックス)⭐⭐⭐ 下げる指数を買い続けた短期勢

AMの現在ポジションは14,018枚の買い越し。
前週比-980枚の売りで、4週続けて持ち高を落としました。

LMは9,189枚の買い越しで、前週比+1,077枚の買い増し
52週最高値を4週続けて更新しました。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
7/28 21,612 +1,761 99% -1,601 +337 83%
8/4 18,095 -3,517 87% 3,849 +5,450 100%
8/11 16,527 -1,568 82% 5,772 +1,923 100%
8/18 14,998 -1,529 77% 8,112 +2,340 100%
8/25 14,018 -980 74% 9,189 +1,077 100%

先週のDXYのポイントで挙げた1.4万枚割れまでは、残り18枚です。

AMは4週続けてドルロングを縮小。

一方のLMは4週続けて52週最高値を更新しています。

今週の7通貨で、価格と反対方向へ動いたのはこのLMだけでした。

ドル指数は集計週で-0.73%でもLMは+1,077枚買い増しています。
ただ買い増し幅は+5,450枚→+1,923枚→+2,340枚→+1,077枚。

ドル安の中で積極的に買い向かったというより、これまで積み上げたドルロングを崩さず、さらに少し上乗せしたというイメージですね。

 

そのドル安のきっかけになったのが8/19の米財務省の発表。

長期金利は急低下し、ドルも大きく売られます。

ただし40億ドルという規模は32兆ドルを超える米国債市場から見れば小さく、翌日には長期金利が再び上昇。

面白いのは、金利への影響は一時的だったのにドルへの警戒感は残ったこと。

長期金利の上昇を政策で抑えるなら、その調整がドル安として出るのでは?という見方が浮上。

8/21にはドルが対ユーロで3カ月ぶり安値まで下落しました。

AMが4週続けてドルロングを減らしている流れとも一致します。

 

一方、LMはそのドル安でもロングを崩しませんでした。

集計週後半には対イラン制裁やカナダへの関税でドルが買い戻される場面もあり、さらに8/28にはウォーシュ議長のジャクソンホール講演が控えていました。

つまり短期勢は、財務省発のドル安が続く方じゃなく、米金利やFedを材料にドルが戻る可能性を重視したように見えますね。

その答えは集計後に出ました。

8/28のウォーシュ議長のジャクソンホールで発言。
基調的なインフレが目標へ十分な速度で向かっていると確信できなければ、やるべき仕事がある。

9月利上げ確率は講演前の35%から57%へ上昇し、ドルも大きく買われました。

ドル指数は集計後に+0.77%。

今回のLMの買いがこの講演を先回りしていたとまでは言えませんが、少なくともドル安の中でもロングを手放さなかった短期勢には追い風となりました。

📌 ポイント:DXYはAMが-980枚の売りで14,018枚となり、先週この枠で挙げた1.4万枚割れまで残り18枚に迫りました。4週で7,594枚を落とした計算で、中長期勢のドル買いは7月の水準からおよそ3分の1が消えています。対するLMは+1,077枚の9,189枚で52週最高値を4週続けて更新し、値動きに逆らってドルを買った唯一のサイドになりました。AMが1.6万枚を回復すれば投げは一服で、逆に1.3万枚を割り込めば7月からの整理がもう一段進みます。集計後のジャクソンホールでドル指数が戻したことで、逆らっていたLM側に分があった形になり、次回のCOTでAMが向きを変えるかが分岐点ですね。

 

💡 今週の注目テーマ

全体的にCOTレポートの分析を通じて、FX侍が今週注目するテーマがこちらです。

1. ユーロだけがロングの積み増し:ショートを畳んだ5通貨との違い

今週AMが買い方向に動いた6通貨ですが、中身は同じではありません。

CAD、GBP、JPY、AUD、CHFの5通貨は、もともとのショートを減らした買い戻し。

一方EURは、237,426枚の買い越しからさらに+24,000枚を足し、261,426枚までロングを積み増しました。

5通貨はショートの解消。ユーロだけは新たな買いの上乗せです。

CADは売り越しがかなり縮小しましたが、EURは6月2日の285,921枚にはまだ届いていません。

同じ「買い」でも次に残っている余地が違いますね。

2. 国債は金利へ、制裁は原油へ:同じ人の発言でも影響が異なる

この週は、ベッセント財務長官から大きな材料が2つ出ました。

8/19の長期国債の買い戻し倍増と、8/25の対イラン二次制裁です。

ただしこの2つは同じベッセント発でも、反応した市場と経路が違います。

国債買い戻しでは米長期金利が急低下し、ドル円も約0.8%下落。
一方、対イラン制裁は予想ほど厳しくなかったことで、Brentが-3.9%下落しました。

・国債買い戻し → 米金利・ドル → DXYや円
・対イラン制裁 → 原油 → CAD

結果的に為替にも影響を与えましたが、上記のような違いがあります。

そのためCOTを見る際も、DXYは米金利とドルの動き、CADは原油や関税を含めたカナダドル側の材料を分けて考えた方がいいでしょう。

COTの増減を一つの材料だけで説明することはできませんが、今週は「どの市場を通じて各通貨に影響したのか」を分けて見る必要がある週でしたね。

3. 逆らって買った側が報われた:価格とフローが離れたドル

今週、実際の値動きに逆らって買い増したのは、DXYの短期勢だけ。

ドル指数が-0.73%下げる中、LMは+1,077枚を買い増し、52週最高値を更新。

ところが集計後の8/28、ウォーシュ議長のタカ派発言を受けてドル指数は+0.77%。

結果的には、短期勢が買っていた方向へ相場が戻りました。

ではLMは何を見ていたのか?
集計期間中にもドル買い材料は出ています。

8/19の7月FOMC議事要旨では、多くの参加者がインフレ次第で追加の引き締めが必要になるとの認識を示していたことが判明。

8/21の米8月フラッシュ総合PMIも56.0へ上昇。

一方では財務省の国債買い戻しで長期金利が低下していましたが、Fedの追加利上げの可能性までは消えていなかったわけです。

短期勢のドル買いは、このFed側の材料を重く見ていた可能性がありますね。

やはりFedには逆らうな、ということでしょうか笑

 

最後に一言

先週は、待つ側と乗る側が分かれた話でした。

今週は、待っていた側がまとめて動いた週です。

7通貨のうち6通貨で中長期勢が買い方向へ動き、EURは26万枚台、CADは-5万枚台、CHFは52週最高値まで戻りました。

7月に積み上げた売りが、ここでかなり整理されたことになります。

ただしドル買いを降ろし切ったわけではなく、DXYのAMはまだ14,018枚残っています。

1.4万枚割れまで18枚。
この線を割るかどうかが、来週の最初の見どころです。

そして円は、AMが-2万枚に116枚届かず、LMは-8万枚に2,958枚届かず。

上にも下にも抜けないまま、ドル円は集計後に160円台へ戻っています。

ウォーシュ議長の発言も織り込んだ次回のCOTが楽しみですね。

 

⚠️ 注意事項

  • COTレポートは火曜日時点のデータが米国東部時間の金曜午後(日本時間土曜早朝)に公開されます。公開時点で3日、実際にトレードに反映できるのは翌週月曜日になるため、実質的に約1週間の遅延がある点に注意が必要です
  • ポジションデータは方向のバイアスを示すものであり、エントリータイミングの判断には価格分析との併用が必要です
  • 極端なポジションは「逆張りシグナル」として機能することがありますが、トレンドが継続する限りは順張り方向が有利です
  • 円換算額は記事執筆時点の為替レート(EURJPY 185.43、GBPJPY 216.55、AUDJPY 114.63、CADJPY 115.09、CHFJPY 197.67)に基づく概算値です

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