COTレポート分析 2026年9月8日週
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COTレポート分析 2026年9月8日週

FX侍です、こんにちは。

今週の名古屋の豪雨。
マジでやばかったです…

保育園のお迎えに行こうと外に出たら、見たこともない水溜り。

というか若干の川??

車で行くのはヤベーと判断し、歩いて向かうことに。

途中の道は冠水しており、横では車がハザード出してご臨終…

「あ〜これはニュースで見てた光景だ…」

所々で私の膝下ぐらいまでの水を掻き分け保育園に到着。

帰りの子供たちは楽しそうでしたが笑

幸い保育園のお迎え時がピークだったようで、その後は雨も弱くなり水は引いていきましたが、20年以上前の東海豪雨以上でしたね。

ほんと、車で保育園に行かなかったのが私のファインプレーでした笑
車で行ってたら、おそらく途中で止まったでしょうね。

写真とかビデオを撮っておけばよかったんですが、そこまでの余裕はありませんでした汗

 

さて本題へ。

先週も先々週も、COT公表の週末までに相場が先に走っていました。

しかし今回のCOTは、ドル円が160円台から152円台まで落ちたその週の動きが反映されてます。

つまり、あの急変の中で大口が何をしたのかが初めてまるごと入ってるってこと。

なかなか面白い動きがありましたよ。

 

COTに関する基礎知識は、以下の解説記事をご覧くださいませ。

では今週のCOTレポートの分析へ参りましょう。

 

今週のCOTハイライト

今回のCOTは9月8日(火)時点のデータ。

ドル指数は集計期間に約0.8%下げましたが、AMは+103枚、LMは-947枚で、7通貨の中で最も動いていません。

代わりに動いたのは円でした。

円のLMは前週比+53,090枚の買い方向で、7月末の介入が始まる直前に戻していた売り越しの半分以上を1週間で解消。

COT集計期間内で重なっていた材料はこんな感じ。

・9/2 BOCが2.25%で7会合連続の据え置き、複数回の利上げも辞さないと総裁が明言
・9/3 ウォーラーFRB理事がインフレ次第で据え置き支持に言及、米10年は4.8%手前から低下
・9/4 米8月雇用統計が+16.2万人で予想を大幅超過、カナダ雇用は逆に-4.2万人
・9/6 ドイツ・ザクセン=アンハルト州議会選挙でAfDが43.8%と過去最高で圧勝
・9/7 財務省が8月末の外貨準備を公表、前月比12兆円減で月間の減少額は過去最大
・9/8 フーシ派がサウジのエネルギー施設を攻撃、Brentは98ドル手前で引け
・9/10 ECBが預金ファシリティを2.50%へ利上げ、米10年は4.85%へ上昇(※)
・9/11 米8月CPIが前年比3.4%、9/15-16のFOMCの利上げ確率は約86%へ(※)
(※は今回のCOT集計後の出来事です)

このうち建玉を最も動かしたのは、日銀の9月利上げがほぼ確定と受け止められたことでしょうね。

9/3の時点で市場の織り込みは約75%でしたが、基準日の9/8には約97%まで進んでいます。

7通貨の中で円の変化だけがここまで突出する週は、そう多くありません。

特に注目すべき3点

今週、特に大きく動いたのは以下の3通貨です。

1. JPY(円):LMが+53,090枚の買い戻しで、売り越しは3/31以来の薄さへ
2. CAD(カナダドル):AMが+19,536枚、LMが+13,302枚で、両サイドが揃って買い戻し
3. EUR(ユーロ):AMが-12,575枚の売り方向だが、中身はロングもショートも増えている

推移をまとめた表がこちらです。

通貨 Asset Manager 前週比 Lev Money 前週比 注目度
EUR 250,678 -12,575 -33,285 +4,888 ⭐⭐⭐
GBP -105,864 +1,469 34,627 -8,540 ⭐⭐
JPY -570 +23,951 -49,098 +53,090 ⭐⭐⭐
CAD -30,008 +19,536 -55,448 +13,302 ⭐⭐⭐
AUD -40,199 -9,732 49,779 +117 ⭐⭐
CHF -35,677 -3,560 -13,440 -3,142 ⭐⭐
DXY 16,344 +103 6,186 -947

Asset Manager = 年金基金や保険会社などの機関投資家。中長期のトレンドを反映しやすい。
Leveraged Money = ヘッジファンドなどの投機筋。短期的な値動きへの反応が早い。

 

先週比のポジション変化のグラフがこちらです。

▼カーソルを乗せると数値が表示されます

 

🗺 ヒートマップで見る直近の流れ

直近の変化がわかりやすいヒートマップがこちらです。

ヒートマップから読み取れるポイント

🟢 緑が目立つ通貨(ポジション拡大・買い方向)
・JPY Lev Money:前週比+53,090枚で、売り越しは-49,098枚へ。今週7通貨で最大の変化
・JPY Asset Mgr:前週比+23,951枚で、売り越しは-570枚へ。ほぼ中立まで戻す
・CAD Asset Mgr:前週比+19,536枚で、売り越しは-30,008枚へ。4週続けての買い戻し
・CAD Lev Money:前週比+13,302枚で、売り越しは-55,448枚へ。6週続けての買い戻し

🔴 赤が目立つ通貨(ポジション縮小・売り方向)
・EUR Asset Mgr:前週比-12,575枚で、買い越しは250,678枚へ。5週続いた買い増しがストップ
・AUD Asset Mgr:前週比-9,732枚で、売り越しは-40,199枚へ。先週の買い戻しの3分の2を戻す
・GBP Lev Money:前週比-8,540枚で、買い越しは34,627枚へ。2週続けてロングを崩す
・CHF Asset Mgr:前週比-3,560枚で、売り越しは-35,677枚へ。2週続けての売り直し

📌 注意すべきパターン
・EUR:AMが-12,575枚の売り、LMが+4,888枚の買い。増減の向きが先週と交代した形
・GBP:AMが+1,469枚の買い、LMが-8,540枚の売り。短期勢だけがロングを崩している形
・CHF:LMの売り越しは52週レンジの2%で、ほぼ1年で最も厚い売り持ちに接近

 

🔍 通貨別の詳細分析

ここまで全体を俯瞰して見たので、次は各通貨のポジションを見ていきましょう。

EUR(ユーロ)⭐⭐⭐ ECB前に買いと売りが同時に膨らんだ

AMの現在ポジションは250,678枚(約5兆5,820億円)の買い越し。
前週比-12,575枚(約2,800億円)の売り方向で、5週続いた買い増しが止まりました。

LMは-33,285枚(約7,412億円)の売り越しで、前週比+4,888枚(約1,088億円)の買い方向
4週続けて売り持ちを削り、6/30以来の薄さになっています。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 225,389 +6,127 8% -60,600 -8,395 4%
8/18 237,426 +12,037 14% -57,716 +2,884 6%
8/25 261,426 +24,000 25% -38,359 +19,357 22%
9/1 263,253 +1,827 26% -38,173 +186 22%
9/8 250,678 -12,575 20% -33,285 +4,888 26%

先週のポイントで挙げた27万枚にも25万枚にも届かず、25万枚の線ぎりぎりで止まりました。

ここで見ておきたいのはAMの中身。

ロングは+16,189枚(約3,605億円)増えているのに、ショートが+28,764枚(約6,405億円)増えたため、差し引きで売り方向になっています。

中長期勢はユーロを手放したわけではなく、買いと売りを両方膨らませたということ。

9/7にユーロ圏の4-6月期GDP確定値が前期比+0.6%・前年比+1.2%へ上方修正され、COT後の9/10にECBは預金ファシリティを2.50%へ引き上げました。

ただしこの利上げは集計期間の中でほぼ織り込み済みで、新しく買い進める理由にはなりにくい状態。

実際、集計週のユーロドルは+0.09%とほぼ横ばいです。

ECBを通過後、膨らませたポジションが次回のCOTでどうなるのか注目ですね。

📌 ポイント:EURはAMが-12,575枚の売り方向で250,678枚となり、先週ここで挙げた25万枚の線ぎりぎりで止まりました。ただし中身はロングとショートが両方増えており、方向を決めた売りではありません。LMは+4,888枚で4週続けて売り持ちを削り、6/30以来の薄さ。AMが26万枚を回復すれば膨らんだ持ち高は買い側へ寄り、逆に24万枚を割り込めば8月の買い戻しが行き過ぎだったという答えになります。ECB通過した後、この両建てがどちら側から畳まれるかが見どころですね。

 

GBP(ポンド)⭐⭐ 総裁の一言で短期勢のロングが崩れた

AMの現在ポジションは-105,864枚(約1兆3,747億円)の売り越し。
前週比+1,469枚(約191億円)の小幅な買い戻しで、ほぼ動いていません。

LMは34,627枚(約4,497億円)の買い越しで、前週比-8,540枚(約1,109億円)の売り方向
8/25に52週最高値の47,909枚まで積んだ買い越しを、2週続けて崩しています。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 -119,863 +5,951 32% 40,670 +2,496 94%
8/18 -117,240 +2,623 34% 42,877 +2,207 99%
8/25 -104,491 +12,749 46% 47,909 +5,032 100%
9/1 -107,333 -2,842 43% 43,167 -4,742 90%
9/8 -105,864 +1,469 45% 34,627 -8,540 73%

先週のポイントで挙げた-9.5万枚にも-11.5万枚にも届かず、中長期勢は判断保留ってところですかね。

動いたのは短期勢の側で、内訳はロングが-7,781枚、ショートが+759枚です。

・9/3の8月サービスPMIは52.5で4カ月ぶりの高さ
・9/4にはBOEのチーフエコノミストが早めの利上げに言及

それでも9/8にベイリー総裁が「利上げは時間の問題」という見方を否定してました。

週の前半に積み上がったタカ派の思惑が、COT基準日当日に打ち消された形ですね。

来週はいよいよBOE。
ベイリー総裁が慎重姿勢を維持するのか、それとも再び利上げ期待を残すのかに注目です。

📌 ポイント:GBPはLMが-8,540枚の売り方向で34,627枚となり、8/25の52週最高値から2週で買い越しが1.3万枚以上減りました。AMは+1,469枚で、先週この枠で挙げた-9.5万枚も-11.5万枚も通過していません。9/3のサービスPMIと9/4のタカ派発言で一旦は利上げ側に傾いたところを、9/8の総裁発言が押し戻した週です。LMが3万枚を割り込めば8月に積んだ買いの半分以上が消え、逆にAMが-9.5万枚を回復すれば中長期勢の買い戻しが再開します。9/17のBOEでタカ派票が増えるかどうかが分岐点ですね。

 

JPY(円)⭐⭐⭐ 介入で戻らなかった売り持ちが1週間で半分消えた

AMの現在ポジションは-570枚(約71億円)の売り越し。
前週比+23,951枚(約2,994億円)の大幅な買い戻しで、売り越しはほぼ中立まで戻りました。

LMは-49,098枚(約6,137億円)の売り越しで、前週比+53,090枚(約6,636億円)の大幅な買い戻し
3週続いた売り直しが止まり、今週7通貨で最大の変化です。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 -26,251 +16,171 34% -53,070 +7,755 70%
8/18 -25,743 +508 34% -67,971 -14,901 53%
8/25 -20,116 +5,627 37% -77,042 -9,071 43%
9/1 -24,521 -4,405 35% -102,188 -25,146 15%
9/8 -570 +23,951 49% -49,098 +53,090 74%

先週のポイントで挙げた-8.5万枚の回復を、一気に飛び越えました笑

先週の-102,188枚は、7月末の介入が始まる直前とほぼ同じ場所に戻っていた数字。

それが1週間で半分以上も解消され、3/31以来の薄さになりました。

しかも中身は単なる手仕舞いではありません。

短期勢はショートを-29,859枚畳みながら、ロングも+23,231枚積んでいます。
中長期勢も同じで、ショートを-16,794枚減らしつつロングを+7,157枚増やしました。

円を売っていた人が降りただけでなく、円を買う側に回った人がいるということですね。

 

円高方向の材料も増えています。

・9/2:高田審議委員「0.25%という利上げ幅は必ず決まっているものではない。連続利上げも可能」
・9/7:8月末の外貨準備が月間減少額として過去最大の前月比12兆円減→当局の本気度の現れ
・9/7:政権の経済ブレーンのうち利上げに慎重だった会田氏が9月利上げの予想に転換
・9/7:経団連からも円安是正を支持する発言
・9/8:4-6月期GDPが年率+1.4%へ上方修正、7月実質賃金も前年比+2.4%で7カ月連続のプラス

この週に起きたのは「円を売る理由」が消えたというより、「円を売りにくい理由」が増えたという印象。

日銀の利上げ織り込みが約97%まで進んだのは、政治圧力が下がったということもあるでしょうね。

集計週のドル円は約-3.7%の円高で、中長期勢と短期勢のフローと値動きがきれいに一致した週でした。

 

一方で円安方向の材料も消えた訳じゃありません。

原油輸入国である日本には原油価格高騰が貿易収支の悪化に直結しますし、Fedの利上げ確率も基準日時点で約6割残っていました。

世界的に金利が上がっている局面では、日銀が利上げしても日米の金利差は縮みにくいんですよね。

その綱引きの中で、次回のCOTでこの売り越しがさらに薄くなるのかを見ておきたいところです。

📌 ポイント:円はLMが+53,090枚の買い戻しで-49,098枚となり、先週ここで書いた-8.5万枚の回復を飛び越えて3/31以来の薄さに。AMも+23,951枚で-570枚と、ほぼ中立まで戻しています。ショートを畳みながらロングも積んでいるので、手仕舞いだけでなく買い方向の新規まで入った週です。LMが-3万枚を回復すれば売り越しはほぼ解消、逆に-7万枚を割り込めば今週の巻き戻しが行き過ぎだったことになります。9/17-18の日銀を通過した後、利上げしたのに円が売られるのかどうかが次の焦点ですね。

 

CAD(カナダドル)⭐⭐⭐ 弱い雇用と関税より総裁の一言

AMの現在ポジションは-30,008枚(約3,322億円)の売り越し。
前週比+19,536枚(約2,163億円)の大幅な買い戻しで、4週続けて売り持ちを削りました。

LMは-55,448枚(約6,138億円)の売り越しで、前週比+13,302枚(約1,473億円)の買い戻し
こちらは6週続けての買い戻しで、6/2以来の薄さです。

ただし中身はショートを-12,206枚畳んだもので、買いを積んだ動きではありません。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 -104,545 -3,231 2% -92,005 +9,743 15%
8/18 -89,495 +15,050 11% -88,897 +3,108 19%
8/25 -58,943 +30,552 28% -72,092 +16,805 43%
9/1 -49,544 +9,399 33% -68,750 +3,342 48%
9/8 -30,008 +19,536 44% -55,448 +13,302 66%

先週のポイントで挙げた「-4万枚を回復すれば5月以来の薄さ」は、その通りになりましたね。

AMは8/4の-101,314枚から5週で7万枚以上も薄くなり、今週の水準は5/26以来です。

きっかけは9/2のBOC。

政策金利は2.25%で7会合連続の据え置きでしたが、マックレム総裁が「インフレが高止まりすれば利上げする、必要なら複数回も辞さない」と明言しています。

産油国なので原油価格が上げ続けていることも交易条件の改善につながります。

ただし9/4の8月雇用は-4.2万人で予想+1.5万人から大きく外れ、9/8には対米報復関税も発効。

それでも中長期勢と短期勢が揃って買い戻したのは、悪材料より「必要なら複数回も辞さない」という一言を重視したからでしょうね。

市場も12月までの0.25%利上げを織り込み始めています。

📌 ポイント:CADはAMが+19,536枚の買い戻しで-30,008枚となり、先週挙げた-4万枚の回復を達成して5/26以来の薄さに。LMも+13,302枚で6週続けての買い戻しです。9/4の弱い雇用と9/8の報復関税の発効という売り材料がありながら、9/2のBOCの姿勢と原油高が上回った週でした。AMが-2万枚を回復すれば売り越しの整理はほぼ一巡し、逆に-4.5万枚を割り込めば直近2週分の買い戻しが戻ります。集計後の3営業日でドルカナダがCAD安へ振れているだけに、この買い戻しが続くかが注視点ですね。

 

AUD(豪ドル)⭐⭐ 上がっている豪ドルを中長期勢が売り直した

AMの現在ポジションは-40,199枚(約4,427億円)の売り越し。
前週比-9,732枚(約1,072億円)の売り直しで、先週の買い戻しの3分の2を戻しました。

LMは49,779枚(約5,482億円)の買い越しで、前週比+117枚(約13億円)のほぼ横ばい
LMの変化としては、7通貨で最も小さい数字です。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 -42,679 -8,460 29% 48,541 +7,904 75%
8/18 -48,066 -5,387 25% 52,108 +3,567 79%
8/25 -45,427 +2,639 20% 54,061 +1,953 82%
9/1 -30,467 +14,960 33% 49,662 -4,399 77%
9/8 -40,199 -9,732 25% 49,779 +117 77%

先週のポイントで挙げた-4万枚割れにきっちり到達。

ただし売り直しが起きたのは、オージードルが下がった週ではありません。

集計週は+0.67%上がっていて、中長期勢だけが値動きに逆らって売っています。

9/2の4-6月期GDPは前期比+0.4%・前年比+2.1%で予想を上回ったのは好材料。

しかし9/8の消費者信頼感84.4は前月比-5.2%で、こちらは明確に悪材料。
ガソリン高と借入コスト上昇への懸念が住宅ローン保有者で強く出ましたね。

利上げを織り込むほど家計が痛むという構図で、短期勢が持ち高を動かさない横で中長期勢だけが「上げたら止まる」側に張った形ですね。

9/29のRBAまでは利上げ期待が豪ドルを支えそうですが、中長期勢はすでに「その次」を警戒している様子。

実際に利上げしても買いが続くのか、それとも材料出尽くしになるのかが次の焦点ですね。

📌 ポイント:AUDはAMが-9,732枚の売り直しで-40,199枚となり、先週ここで挙げた-4万枚割れに到達。豪ドルが+0.67%上がった週に中長期勢が売った形で、集計後はほぼ同じ幅を下げているので現時点では売った側が正しかったことになります。LMは+117枚でほぼ動きませんが、ロングを+9,480枚、ショートを+9,363枚と同時に積んでおり、中身は膨らんでいます。AMが-3.5万枚を回復すれば売り直しは一時的だったことになり、逆に-4.5万枚を割り込めば8月中旬の売り越しの水準へ戻ります。9/29のRBAまで3週、家計の弱さと利上げ観測のどちらを取るかが分かれ目ですね。

 

CHF(フラン)⭐⭐ 中東情勢が悪化してもフランは買われなかった

AMの現在ポジションは-35,677枚(約8,387億円)の売り越し。
前週比-3,560枚(約837億円)の売り直しで、2週続けて売り持ちを増やしました。

LMは-13,440枚(約3,160億円)の売り越しで、前週比-3,142枚(約739億円)の売り直し
52週レンジの2%まで下がり、ほぼ1年で最も厚い売り持ちに近づいています。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 -38,322 +1,445 75% -11,432 -1,348 13%
8/18 -37,070 +1,252 80% -9,071 +2,361 26%
8/25 -28,655 +8,415 100% -8,825 +246 27%
9/1 -32,117 -3,462 87% -10,298 -1,473 19%
9/8 -35,677 -3,560 74% -13,440 -3,142 2%

先週のポイントで挙げた-2.5万枚にも-4万枚にも届かず、AMは-4万枚の側へ寄りました。

9/3のスイス8月CPIは前年比+0.8%(予想+0.5%)で、7月の+0.4%から倍増。

さらに中東情勢が悪化した週でもフランが買われず、中長期勢と短期勢が揃って売り側に回りました。

背景としては、SNBも金利据え置きを言及しており、動く理由も気配もないこと。
そして先週の記事でも書いた、キャリー通貨としてのフランが意識され始めていること。

今週のLMの売り越し-13,440枚は6/23の-13,816枚以来の厚さで、円の売り越しが+53,090枚も薄くなった同じ週に、短期勢が売り越しを厚くしたのはフランだけでした。

日本が1.25%へ利上げに向かう一方でスイスは0%のまま。

しかも今の円よりフランの値動きは静かなので、低金利で借りる側の調達通貨が円からフランへ移るのも自然な動きです。

ただし1週間の数字だけで流れが変わったと決めるのは早く、次回も同じ方向に厚くなるかが要チェックです。

📌 ポイント:CHFはAMが-3,560枚の売り直しで-35,677枚、LMも-3,142枚で-13,440枚となり、両サイドが揃って売り側です。LMの売り越しは52週レンジの2%で、ほぼ1年で最も厚い水準に接近しました。9/3のCPIが倍増しても0%金利を動かすほどではなく、他の中銀が利上げへ向かうだけに金利差で不利になる構図が続いています。AMが-3万枚を回復すればショートの解消が再開し、逆に-4万枚を割り込めば8月の買い戻しはほぼ帳消しです。9/24のSNBまで、ドル側の金利がどこまで上がるかに引っ張られる展開が続きそうですね。

 

DXY(ドルインデックス)⭐ 7通貨で最も動かなかった

AMの現在ポジションは16,344枚の買い越し。
前週比+103枚のほぼ横ばいで、2週続けての小幅な買いです。

LMは6,186枚の買い越しで、前週比-947枚の売り
2週続けての売りですが、こちらも小幅です。

日付 AM 前週比 52週レンジ LM 前週比 52週レンジ
8/11 16,527 -1,568 82% 5,772 +1,923 100%
8/18 14,998 -1,529 77% 8,112 +2,340 100%
8/25 14,018 -980 74% 9,189 +1,077 100%
9/1 16,241 +2,223 81% 7,133 -2,056 94%
9/8 16,344 +103 82% 6,186 -947 91%

先週のポイントで挙げたLMの0.5万枚割れにもAMの1.8万枚回復にも届かず。

 

ただ集計期間に出たドル絡みの材料はこんな具合に豊富でしたが、動きが見られませんでした。

嵐の前の静けさかもしれません…

・9/2:8月のADP民間雇用は+3.8万人で、予想の+4.8万人を下回る
・9/3:ISM非製造業は55.4へ上昇も、仕入価格は2022年8月以来の高さで雇用指数は47.8
・9/3:ウォーラーFRB理事が据え置き支持の用意に言及、米10年金利は4.8%手前から低下
・9/4:8月雇用統計が+16.2万人で予想を大幅超過、失業率は4.1%で変わらず
・9/4:ハマック総裁が「インフレ抑制に向け行動すべき時」と発言
・9/4:トランプがFedに利下げを要求、応じなければ貿易停止と警告
・9/4:ノルウェーの政府系ファンドが米国債を約800億ドル減らす見直し案

雇用が弱いから利上げできない見方は雇用統計で後退し、利上げ確率は約6割まで戻りました。

これだけ材料豊富だったのに、AMは+103枚、LMは-947枚。

内訳を見ると、短期勢はロングを-686枚削ってショートを+261枚積んでおり、8/18に7,086枚まで畳んだショートを9,152枚まで戻しました。

中長期勢はロングを+374枚、ショートを+271枚と両側に小さく足しただけです。

強い雇用統計が出た週としては、ドル買いの積み増しがあまりに弱いんですよね。

最近はnoteにも書いてるように、原油高とDXYの相関も崩れてきている印象。

FOMCとともに、この関係性にも注目です。

📌 ポイント:DXYは強い雇用統計が出たのに持ち高がほぼ動かず、AMが+103枚、LMが-947枚で7通貨の中で最も静かな週でした。ドル指数が-0.83%下げる中で、短期勢はロングを削ってショートを積み直しています。強い雇用統計が出たのにドル買いが積み増されなかったのは、9/3のハト派発言から9/4の強い雇用へと、週の中でドル観が往復したからかもしれません。LMが0.5万枚を割り込めば売り越しへの転換が近づき、逆にAMが1.8万枚を回復すれば8月初旬の水準まで戻します。集計後のインフレ指標で利上げ観測が一段強まっているので、次回この動かなかった建玉がどちらへ倒れるかが最大の見どころですね。

 

💡 今週の注目テーマ

全体的にCOTレポートの分析を通じて、FX侍が今週注目するテーマがこちらです。

1. 主役は円:米雇用統計が強かった週に動いたのは日本の材料

今回のCOT期間には9/4の米8月雇用統計という大きなサプライズがありました。

8月の雇用統計の結果

普通ならドル絡みの建玉が真っ先に動く材料ですよね。

しかし7通貨で最も動いたのは円。

円はAMとLMを合わせて7.7万枚の変化で、2番目に大きいCADの3.3万枚の2倍以上です。

そして円を動かした材料は、9/2の日銀審議委員の発言、9/7の外貨準備の公表・政権ブレーンのタカ派転向、9/8のGDPと実質賃金と、すべて日本側から出ています。

その結果、日銀の利上げ確率は9/3の約75%から基準日の約97%へ上昇。

円が最も動いた背景は、利上げ確率の「水準」ではなく確率が動いた「速さ」だったと推測してます。

ただここまで織り込まれると、セルザファクトへの警戒も必要になってきますね。

2. 原油とドルの分離:Brentが100ドル目前の週にドル小動き

集計期間の終盤、9/8にフーシ派によるサウジのエネルギー施設への攻撃で、Brentが97.92ドルまで上昇。

原油高は教科書的にはドル買い材料です。

しかし集計週のドル指数は約0.83%の下落。

▼ブレント原油とドルインデックスの日足チャート
ブレント原油とドルインデックスの日足チャート比較

DXYの建玉は、中長期勢が+103枚・短期勢が-947枚という小動き。

個人的には、原油高とドル高の相関が以前より弱まっていると感じてます。

米財務省による長期債のバイバックなど、様々な要因が関係しての結果かもしれませんが、動く前のエネルギー充電かもしれません。

来週木曜のFOMCは次回COTには反映されませんが、FOMCが大きな動きの転換点になる確率は高そうです。

なんとなくですが、「やっぱ据え置きやで」ってことで逆噴射が起こりそうな…

なんとなくですけどね…

3. 借りる通貨の交代:円売りが減った週にフラン売りが増えた

低い金利の通貨を借りて、金利の高い通貨を買う。

いわゆるキャリー取引の「借りる側」が、円からフランへ移りつつあります。

ここ数週間でその話題がメディアにも出ていましたが、今週のCOTにもその動きが出ていました。

円の売り越しは短期勢で+53,090枚も薄くなった一方、フランの売り越しは-13,440枚と6/23以来の厚さ。

短期勢が売り越しを厚くしたのは、7通貨でフランだけでした。

その理由は金利差。

日本は9/17-18の会合で1.25%へ上げる見通しですが、スイスは0%のまま動きません。
(しかもしばらく動かないと市場も予想してますし、SNBはフラン高を警戒してます)

そして最近の円と比べるとフランは値動きが荒くないので、借りる側からすると円より扱いやすいという事情もあるかと笑

最近は日本のタカ派姿勢が鮮明で円を売りにくくなった分、その役割がフランへ回ってきた形です。

今後もこのフランキャリーが続くのか、地味ながらも注目です。

 

最後に一言

今週は中長期勢と短期勢が同じ向きに動いたのがJPY・CAD・CHFの3つ、向きが割れたのがEUR・GBP・AUD・DXYの4つでした。

ただ今週の中心が円だったことは間違いありません。

先週ここで、円の-102,188枚がどこまで巻き戻されるか?次回の答え合わせにしましょうと書きました。

答えは-49,098枚でした。

7月末に介入が始まる直前の水準から、1週間で52%が消えたことになります。

過去最大の15.4兆円を投じた介入後に元へ戻っていた売り持ちが、日銀の利上げ観測でここまで畳まれたということですね。

ここからの1週間は、9/15-16のFOMCと9/17-18の日銀が続きます。

どちらも利上げが濃厚と見られている中で、円の売り越しがさらに薄くなるのか、それとも材料出尽くしになるのか。

日程的に次回COTには反映されませんが、値動きとしては大きくなりそうですね。

 

⚠️ 注意事項

  • COTレポートは火曜日時点のデータが米国東部時間の金曜午後(日本時間土曜早朝)に公開されます。公開時点で3日、実際にトレードに反映できるのは翌週月曜日になるため、実質的に約1週間の遅延がある点に注意が必要です
  • ポジションデータは方向のバイアスを示すものであり、エントリータイミングの判断には価格分析との併用が必要です
  • 極端なポジションは「逆張りシグナル」として機能することがありますが、トレンドが継続する限りは順張り方向が有利です
  • 円換算額は記事執筆時点の為替レート(EURJPY 178.14、GBPJPY 207.77、AUDJPY 110.12、CADJPY 110.70、CHFJPY 188.07)に基づく概算値です

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