FX侍です、こんにちは。
今回はインジケーターにおける遅行指標と先行指標のお話。
前回の記事で先行指標のインジケーターを紹介しましたが、そもそも遅行指標・先行指標ってなに?という方もいると思うので、改めて解説しておきます( ・∇・)
トレードがいまいち上手くいっていない人に欠けている視点でもあるのでぜひ参考にしてください。
遅行指標インジケーターと先行指標インジケーターの違い
・遅行指標:過去の値動きから現在の状態を示している
・先行指標:過去の値動きから将来の予測を示している
基本的には遅行指標も先行指標も、インジケーターは過去の値動きから計算された数値を表示しますが、「今」を示しているのか「将来」を示しているのかが異なる点です。
よく使われるインジケーターを表示したチャートですが、これらはすべて遅行指標。
過去●本のローソク足を分析し、現在の状態を示しています。
移動平均線は表示移動すれば未来に描画できますが、そもそもが遅行指標なので先行指標とは違います。
それに対して…
こちらはADR・一目均衡表の雲・fxr_sr_zonesと言った先行指標を表示したチャート。
過去●本のローソク足を分析する点は同じですが、現在〜未来の状態を示しています。
ADRとfxr_sr_zonesは描画自体は現在足までですが、この先のサポレジ候補になるという意味を持つので先行指標となります。
先行指標のインジケーターについては下記を参考にどぞ。
ここまでが遅行指標インジケーターと先行指標インジケーターの違い。
では次にそれぞれの特性を理解した上で、どんなインジケーターを組み合わせてトレードに活用するのかを考えましょう。
遅行指標と先行指標の組み合わせ
遅行指標のインジケーターは描画が遅れる性質があります。
例えばMAのクロスというエントリートリガーで考えてみましょう。
最初の2回は高値で買って安値で売るという最悪のエントリーですねw
しかし3回目のエントリーは上手に上昇トレンドに乗っています。
上記はあえて意地悪な場所を選んだものですが、似たような経験をされた方も多いはず。
移動平均線に限らず、MACDやボリバンでも「自分がエントリーするとなぜか反対方向に進む」という謎の現象に巻き込まれた人も多いですよねw
その要因をこれから解説していきます。
では突然ですがクイズです。
ローソク足は遅行指標でしょうか?先行指標でしょうか?
よーく考えてみてください。
考えました?
この考えがキーポイントになるので、自分の頭で考えてみてください。
では(FX侍が考える)正解を発表します。
ローソク足は遅行指標でもあり先行指標でもあります。
ドッチヤネン!(# ゚Д゚)ハッキリシテ!
と言いたくなるかもしれませんが落ち着きましょうw
ローソク足からは以下のことがわかります。
・今の値位置(高値圏とか安値圏)や流れ(上昇or下落or方向感なし)
・未来の抵抗となりそうなサポレジ候補やこの先の値動き
ローソク足の動きは過去〜今〜未来と繋がっているので遅行指標としても先行指標としても使えるって訳です。
だからローソク足だけのチャートでも勝てる人は勝てるんですね。
ローソク足で将来の値動きなんて分かる?と思われるかもしれませんが、レンジが続けば上か下にブレイクする、サポートを抜ければ次のサポートを目指す、みたいに基本的な動きはある程度は分かりますよね。
ローソク足を遅行指標・先行指標として活用する
ここで先ほどの話題に戻ります。
移動平均線のクロスに限らず、MACDやボリバンでも自分がエントリーするとなぜか反対方向に進むという謎の現象。
その原因は、ローソク足の『今の流れ』と『将来のサポレジ候補』という視点が抜け落ちていること。
インジケーターばかりに着目して近視眼的になっている状態なんですね。
下記は先ほどのMAクロスでのエントリー例です。
最初の2回は綺麗に負けるので3度目の正直に素直に乗れるか微妙ですよね。
ここにローソク足の遅行指標と先行指標という視点を加えると、こうなります。
▼ローソク足を考慮したMAクロスの考え方(クリックで拡大します)
ローソク足の過去〜今の流れという遅行指標の特性、そして将来の値動きやサポレジ候補を炙り出すという先行指標の特性を加味してシナリオを考えるんです。
左側から大きく下げてきた流れで安値更新が止まっているので、トレンド継続を疑う必要あり
→レンジ入り、もしくはを下落からの反発イメージする
→再び下落するにしても飛び乗りではなく、サポレジを背にした根拠のある戻り売りをすべき場面
こうした背景を理解した上で、MAクロスでの各エントリーを考えてみましょう。
●買い1
レンジを想定するなら高値掴みになるかもしれませんし、反発を想定するにしてもネックラインがもう少しハッキリしてからじゃないと入りにくいです。
●売り1
MAクロスが確定した直前のローソク足のヒゲが上下に長いので、191.50円で攻防していると考えられます。
抜ければ走る可能性も考えられますが、攻防に参加する必要はないので見送り。
売るなら攻防に決着がついた後の戻り売りですね。
●買い2
売り1の安値も割らず、1日以上をかけて底固めをしてきたとも見えるので形としてはいい感じ。
ただネックラインと192.00円を抜けてから入る方が安全ですね。(MAクロスからあえて遅らせる)
利確目標は高値1、または高値1のすぐ後に出た大きめ陰線の始値付近。
そこを抜けたら高値2の実体、ヒゲ先という感じで。
・遅行指標としてのローソク足=今の値位置や流れ
・先行指標としてのローソク足=この先の値動きやサポレジ候補
こうしたローソク足の特性をしっかりと考えれば、MAのクロスでも優秀なトリガーになりますし、遅行指標のインジケーターを使っても普通に勝てます。
重要なのはローソク足をどれだけ活用できるかという点。
インジケーターは先行指標であっても遅行指標であっても使い方次第で武器にもムダにもなります。
付け加えると、MAの期間を短くしたりSMAじゃなくEMAなど反応の早い種類にすれば遅行性を早めることは可能です。(ただし騙しも増えるので見極める必要はあります)
先行指標・遅行指標に関するよくある誤解
遅行指標のインジケーターは遅いから、先行指標のインジケーターを使えば勝てるんじゃないか?と考える人もいるでしょうが、ローソク足を無視する人はぶっちゃけ何を使っても大差ありません。
FX侍もかつてそう考えてた時期もあるので気持ちはわかりますけどねw
下記は期間10のADRで70%と100%を表示したチャート。
一定確率でADRで跳ね返るのから70%・100%での逆張りで勝てるんじゃね?( ・∇・)
と思うでしょうが、当然オーバーシュートしますし、ADRを挟んで行ったり来たりすることもあります。
逆張りが機能する場面は当然ありますが、ローソク足を無視して安定した勝率は出せません。
(利確と損切りのコントロール次第でチャンスを秘めているかもしれませんけどw)
まとめ
安定して勝っているトレーダーは間違いなく遅行指標と先行指標を組み合わせたトレードをしています。
過去〜今の状況を読み解いて未来の値動きのシナリオを立てる
↓
シナリオに合致する動きになったらエントリー
トレードはこの繰り返しですからね。
ここで重要なのがローソク足をどれだけ活用できるかという点。
・遅行指標としてのローソク足=今の値位置や流れ
・先行指標としてのローソク足=この先の値動きやサポレジ候補
この読み解き度合いによってインジケーターの有用性も大きく変わります。
先行指標のインジを使っていないけど安定して勝ってる人は、ローソク足から先行指標の情報を読んでいるので、遅行指標のインジケーターだけでも普通に勝てるんですね。
先行指標のインジが優秀なのは事実ですが、ローソク足の情報を全てカバーしてくれる訳じゃありません。
大切なのは遅行指標と先行指標の組み合わせです。
そしてローソク足はどちらの性質も持ち合わせている有益な情報源なので無視しちゃダメですよ。
ローソク足が一番大事ですから。
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