リスクパリティ戦略と為替市場の関係性

リスクパリティ戦略と為替の関係性を知っておこう

FX侍です、こんにちは。

今回はリスクパリティ戦略と為替の関係について。

…は?(・∀・)ナンノコト?

と思うでしょうが、海外機関投資家やヘッジファンドの戦略の理解しておくことで金融市場の1つの動向を知ることができます。

為替だけでなく相場全体の資金の流れの理解にも繋がります。

リスクパリティ戦略とは?

リスクパリティ戦略とは…
リスクをパリティ(等しい)になるようにポートフォリオを組む運用手法。
主にリーマンショック以降の機関投資家やファンドの投資戦略として用いられています。

機関投資家やファンドなどの大口は、我々個人トレーダーとは異なるトレードをしています。

分かりやすく言えば、トレードではなく「運用」というイメージでしょうか。

我々はFXという相場でトレードをしていますが、機関投資家やファンドはFX以外の金融市場でもトレードをしています。(短期トレードだけではなく中長期トレードもしています)

要するに為替以外にも債券や株式、コモディティなどでポートフォリオを組んで運用している形ですね。

そのポートフォリオの新しい組み方がリスクパリティ戦略ということです。

 

従来型とリスクパリティ戦略のポートフォリオの違い

下記は従来型の資産分散したポートフォリオのイメージです。

資産分散したポートフォリオの例

異なる金融商品に分散投資をしてリスクを下げるというイメージです。

卵は一つの籠(かご)に盛るなという投資格言で思いつく戦略と言えます。

 

対してリスクパリティ戦略のポートフォリオのイメージがこちら。

リスクパリティ戦略のポートフォリオ例

先ほどの従来型と比べると株式の割合が減り、債券が増えているのが分かります。

これは株式の高い変動率(ボラティリティ)をリスクと捉え比率を減らし、ポートフォリオ全体で見た時のボラティリティを均一(=パリティ)にするという考え方です。

リスクパリティ戦略と為替の関係

リスクパリティ戦略では、ボラティリティをリスクと捉えて資産の配分を行います。

そして言うまでもありませんが、顧客の資金を運用する機関投資家やファンドは利益を上げるために最適なポートフォリオを目指してその構成を改善します。

例えば株式市場が激しい下落でボラが増大すれば、そのリスク量を減らさないといけません。

リスクパリティ戦略の見直し例

上記の場合は、リスクが増大した株式を減らし、安全性の高い債券に資金を再配分します。
(株式が20%、債券が80%になるイメージです)

リスク資産から安全資産に資金を移動させる以外にも、現金化してキャッシュポジション比率を高めることもあります。

 

ここまでの解説で気付いた方もいると思いますが…

リスクパリティ戦略によって値動きが加速することを意味しています。

株式市場を例にすれば、下記のように売りが売りを呼ぶ展開に繋がります。

株式市場の急落
  ↓
リスクパリティ戦略の大口による投げ
  ↓
個人投資家の損切り

「え?そんなに下がるの!?」という値動きの背景には、こうした理由が潜んでいることもあります。

 

金融市場はつながっている

今回は分かりやすく株式市場の急落という場面を例にしましたが、株式以外にも債券、為替、貴金属、コモディティなど金融商品は様々あります。

そして重要なのは…金融市場はつながっており、その中で資金が動いているという点です。

 

例えば…
NYダウが何かを材料視してガツンと下落したとしましょうか。

NYダウは世界の株式市場の親分みたいなものですから、翌日の東京市場の日経平均は下がります
(アメリカがくしゃみをすると日本が風邪を引くやつですw)
  ↓
NYダウなどの株式がリスクパリティ戦略によって売られ、安全資産である米国債が買われます
  ↓
債券が買われて価格が上がれば利回りは下がるので、ドルが売られてゴールドが上昇
  ↓
ゴールドと同様に安全資産であるスイスフランに資金が入りUSD/CHFが下がる…

まぁこれはあくまで例ですが、ある国の株式市場が暴落するとその国の通貨にも影響を及ぼします。

為替は為替単独で動いているわけではなく、その他の金融市場の影響も受けて動いています。

あまり意識する人は多くありませんが、市場の資金もつながっているんですね。

まとめ

今回のリスクパリティ戦略はFXトレーダーには馴染みがない用語かと思います。

これを知らなきゃ勝てない!って訳じゃありませんが、知ってて損はありません。

値動きにブーストが掛かる背景には、トレーダーのロスカットだけではなく、こうした大口の運用手法による要因が隠されていますので。

個人的には、常勝トレーダーを目指すなら覚えておくべきかと思います。

ファンダメンタルに関する知識と同様ですが、目の前にあるMT4だけでは見えない部分の理解がトレードへ与える自信に大きく影響します。

仮にロングの含み損を抱えていても、ファンダ的に上だという自信があるなら簡単に損切りしませんよね。

それはただ単に含み損に耐えているのとは全く違います。
シナリオを持った上でのトレードですからね。

テクニカルを覚えるのも重要ですが、こういった知識が必要なレベルの人は勉強しておくべきですよ。

ファンダメンタルズ分析の記事一覧を見てみる→

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コメント

  • コメント (2)

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    • たけうち
    • 2022年 1月 11日

    【感想】
    今回も記事をありがとうございます。

    雷が落ちるといった自然現象は予測や原因究明が極めて困難でも、

    為替の動きとなれば、まったく何の理由もなく暴落するという
    ことは考えにくい。背景には何らかの出来事があるはず。
    と読み終えて思いました。
    原因がわかれば、適切に対応できるようになりますね。

    これまではFRPの議長会見とかあまり興味ありませんでしたが、
    わかならいなりにも目を通してみることにします!

      • FX侍
      • 2022年 1月 13日

      たけうちさん
      コメントありがとうございます。

      テクニカルだけでも勝てるのはたけうちさん自身で体感しているでしょうが、それ以外の部分を補強することでバキバキの常勝トレーダーに近付いていきます。

      ぜひたけうちさんも色々と勉強してみてください。

      ちなみに…
      FRPは繊維強化プラスチックなので、正しくはFRBですw

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