FX侍です、こんにちは。
今回は「金融緩和と通貨安」について。
ちょっと小難しいようなテーマですが、FXとも密接に関わる部分なので重要なポイントです。
わかりやすーく解説するので、かんたんに理解できます。
金融緩和とは?
金融緩和とは、わかりやすく例えると「国内にお金を流通しやすくする政策」です。
(通常は国内景気の刺激策として用いられます)
そのための策として『金利引下げ』と『量的緩和』が金融緩和として行われます。
金利引下げ
中央銀行の政策金利を引き下げることを指します。
政策金利は民間の金融機関が基準としている数値で、政策金利が下がれば金融機関が融資する際の金利も下がります。
低金利になれば国民や企業がお金を借りやすくなります。
借りたお金で企業が設備投資を行ったり、国民が家を買ったりと消費行動がしやすくなって、結果的に経済が潤います。
量的緩和
中央銀行が金融機関から国債を買い取り、金融機関に資金を供給することを指します。
その結果、金融機関は貸し出しに回せる資金が増え、その資金は企業に回って経済活動に回ることになります。
流通するお金の量が増えるってイメージですね。
金融緩和と通貨安の関係
実生活の中でイメージはしにくいですが、金融緩和は「国内にお金を流通しやすくする政策」=「お金の流通量が増える」と同義語です。
普通に考えて、流通量が多いものと少ないもの。
どちらの方が価値が高いでしょう?
当然、流通量が少ない方が価値としては高くなり、流通量が多ければ価値が下がります。
この考え方は「通貨」も同様で、金融緩和によって流通量が増えれば通貨安になるのがセオリーです。
(記事執筆時点で)最近のドル安には、こうした金融緩和の影響が出ています。
下記は東洋経済オンラインの記事抜粋です。
アメリカの連邦準備理事会(FRB)は3月15日の日曜日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利であるフェデラルファンド(FF)レートを一気に1.0%引き下げ、事実上のゼロ金利政策を約4年ぶりに復活させた。
同時に今後数カ月でアメリカ国債を少なくとも5000億ドル買い入れる。住宅ローン担保証券(MBS)も同じく2000億ドル購入することを決め、量的緩和政策(QE)も再開した。
FRBは新型コロナウイルス対策として、金利引下げと量的緩和のダブルの金融緩和政策を打ち出しています。
その影響が徐々に表れ、ドル安となりユーロドルの上昇にも弾みを付けています。
3月までのアメリカは空前の低失業率で経済も盤石。
加えて「ドルを買うことで金利が付く」という大きなメリットがありました。
しかしそれが新型コロナによって状況が一変。
各国が対策として3月に利下げを行ったのです。
下記は2020年の主要各国の政策金利一覧です。
3月に急激な金融緩和(利下げ+量的緩和)を行い、金利面でもドルの旨味が大きく減ってしまいました。
ま、こういうイメージですね。
基軸通貨としてだけでなく、金利面でも強かった米ドルの利下げ。
そして大規模な量的緩和でドルの価値低下に拍車がかかり、通貨安になっているのが直近までの流れです。
金融緩和と通貨安のタイムラグに注意
金融緩和は通貨安になるのは事実ですが、相対的な他通貨と兼ね合いや相場状況によって通貨安になるまでのタイムラグはあります。
記述のように2020年3月15日にFRBは大規模な金融緩和を打ち出しました。
しかし下記のチャートを見てみると、3月9日~20日にかけてドルインデックスは一本調子で上昇しています。
実はこの時、新型コロナによるパニック相場となっていました。
そういう時には、理屈抜きにドル需要が高まります。
この時はNYダウもサーキットブレーカーが初めて発動し、VIXはとんでもない数字になっていました。
日経平均も2万4000円から1万6000円台に突入してましたし。
「世界恐慌が来るのか…?」という不気味なムードが漂っていたのを思い出しますね。
平時であれば金融緩和からの通貨安までの時差は少ないですが、状況によってはタイムラグがあることは覚えておきましょう。
また、通貨ペアに発生したトレンドは調整しながら上(又は下)方向を目指していくので、ドル安だからと言って適当にドルを売ればいいという事にはなりません。
中長期的にドル安目線であっても短期的にはドル買いの流れは来くるので、テクニカルを元にしたトレンドフォローでトレードするのが最適解です。
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