ドル円が114.5円を抜けない意外と知られてない理由

ドル円が114.5円を超えられない理由が闇

FX侍です、こんにちは。

今回はドル円が114.5円を超えられない理由を解説します。
(意外と知らない人も多いんですが、結構大事なポイントです)

ドル円は9月後半の109円台からわずか1ヶ月で114円中盤まで力強い上昇を見せました。

しかし…
114.5円をわずかに抜けて、あっという間に下落…(・∀・)チーン

▼ドル円4時間足
114.5円を抜けられなかったドル円

この値動きだけを見てれば、特に疑問は感じないかもしれません。

「ま、けっこう上がったし、一旦の調整は入るでしょ」と考える人も多いでしょうね。

 

じゃあ前回の様子を見てみましょうか。
前回は2018年10月3日に114.5円にタッチしましたが、こちらも速攻で叩き落されてます。

▼前回114.5円に到達したドル円4時間足
前回114.5円に到達したドル円4時間足

これで2回連続で114.5円で頭を抑えられた形になりました。

 

もう少し時間を戻して、過去の114.5円の値動きを見てみましょう。

下記は2017年1月~2018年10月中旬までの日足です。

▼日足で見るドル円の114.5円の攻防
114.5円を巡るドル円の攻防

チャート左端は117円台から落ちてきていますが、114.5円がまるで意思を持ったようなレジスタンスとして機能しているように見えませんか?

何を隠そう…

実は114.5円には本当に意思があるんです。

しかしテクニカル的な意思ではありません。

もっと強力な「政治的な意思」が114.5円には秘められているんです。

 

ドル円が114.5円を超えられない政治的な意思とは?

実はドル円が114.5円を超える円安になると…
アメリカから「ちょっと行き過ぎやで」と注意が入るんです。

前回114.5円にタッチしたのが2018年10月3日。
2週間も経たない10月14日に下記のような報道が出ました。

通貨安誘導を封じる為替条項に関するニュース

要するに「あんまりドル円が上がるなら、通貨安誘導を封じる為替条項を入れないとね~」とアメリカ側から牽制を入れられたって訳です。

ただの偶然と思う人もいるかもしれませんが、アメリカと日本の関係性を考えれば普通に有り得る話ですよ。

過去に要人発言によって何度も円安に歯止めをかけているのがドル円の歴史ですから。

▼政府要人による発言とドル円の歴史(クリックで拡大します)
政府要人による発言とドル円の歴史

アメリカ大統領や財務長官、そして日銀総裁によって、ある程度のところで円安を止めるのが通例行事です。

上記チャートを見ると、2015年は122円ぐらいがアメリカの限界。
その後は114.5円がアメリカの限界と見て取れます。

ただし絶対に114.5円を抜けない訳じゃありません。

アメリカと日本の金利差が大きくドル買いに傾くようであれば、流石に市場の摂理に逆らうことはできないでしょう。

下記で解説しているアメリカ10年債がその一例です。

ただ最近は10年債より2年債など短期の方が相関性は高いですけどね。

いずれにしても、特段の事情がなければ政治的意思が働く114.5円を抜くのは難しいって事です。

 

円安に歯止めをかける理由

ってゆーか、なんで円安にストップをかけるの?(・∀・)ホワイ?

という方のために、補足解説をしておきます。

簡単にいうと、円安(=自国通貨安)になると輸出企業の利益が大きくなります。

という訳で、輸出企業の代表であるトヨタ自動車を例に解説します。

 

11月4日にトヨタ自動車は中間決算を発表しました。

コロナ渦においても売上高は前年同期比36.1%増の15兆4812億円、純利益は前年同期の2.4倍超の1兆5244億円という中間決算としていずれも過去最高となりました。

決算報告資料の中で下記の文言に注目です。

見通しは、円安の影響を除けば、資材高騰などにより、実質下方修正
出典:2022年3月期第2四半期決算報告プレゼンテーション資料より

円安効果による利益の上乗せが大きいと言ってますね。

アメリカの立場で言えば、ドル高になっているので輸出企業の利益は減ってしまいます。
(言うまでもなく通貨安・通貨高にはそれぞれメリットデメリットがありますが)

だからこそ、(アメリカ側から)行き過ぎた円安は歯止めをかけないといけないという図式になります。

 

通貨安に文句をつける相手は日本だけじゃない

アメリカには財務省が貿易相手国の為替政策を分析・評価した「為替報告書」という公文書があります。

通常4月と10月の年2回(時期がズレる事もあります)議会に提出され、輸出で有利になる自国通貨安を誘導している国を「為替操作国」と認定し、是正措置を取らない国には高関税など制裁が科されます。

さすが世界のジャイアン 大国ですw

2019年8月に中国を為替操作国認定してニュースになったのを記憶している人もいるでしょうね。

為替操作国認定されるのが最も重いペナルティーですが、その下に「監視対象国」というリストもあります。

ちなみに直近2021年4月の為替報告書では、日本・中国・韓国・ドイツ・イタリア・インド・マレーシア・シンガポール・タイ・アイルランド・メキシコの計11カ国がリストアップされています。

監視対象に指定されると、最低2回分の報告書で取り上げられ、下記の基準での改善が評価されます。

(1)年間200億ドル(約2兆1000億円)超の対米貿易黒字
(2)国内総生産(GDP)の3%を超える経常黒字
(3)為替市場介入を通じた自国通貨安の誘導

そして中国を念頭に「対米黒字が巨額かつ不均衡」との条件も追加され、2つに抵触すると監視対象国に指定されます。

要するに、アメリカは貿易相手国の全方位で通貨安に対して厳しい目を光らせており、一定レベルを超えると愛のある指導が入るって訳ですw

 

まとめ

ドル円が114.5円を抜けない政治的な理由を知って驚いた方もいるかもしれません。

しかしこういった話は普通にあるんです。

例えば2017年頃、北朝鮮が頻繁にミサイル実験をしていましたが、その度に日経平均株価が急落。
その裏で北朝鮮がゴニョゴニョしてた…とか(*´∀`*)

話を戻しますw

為替は国の経済にも大きく影響を及ぼすので、政治的な思惑が入るのは当然といえば当然です。

表立ってこういう話は中々出てきませんが、経済ニュースとチャートを組み合わせて読み解くと面白いですよ。

 

あ、念の為にもう1回お伝えしておきます。

未来永劫114.5円をドル円が抜けないとは限りません。

その時々の状況によってアメリカの許容ラインが変わるかもしれませんし、日米の金利差がドル買いに大きく傾くなど、上抜ける事情があれば114.5円は抜けるでしょう。

ブログで何度もお伝えしてることですが、MT4のチャートだけでは見えない部分にも注意しましょうね。

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