ドルインデックスとは?を分かりやすく解説

ドルインデックスとは?を分かりやすく解説

FX侍です、こんにちわ。

今回はトレーダーとして常識でもある「ドルインデックス」について。
ドルインデックスとは?という方向けに、分かりやすく解説しました。

ドルインデックスを活用できると、チャート分析に深みが出ますし、エントリー精度も上がります。
トレーダーとしてワンランクアップできるのは間違いありません。

記事では基本的な知識を解説していますが、下記の動画では基礎〜具体的な活用方法を解説しています。

動画と併せて記事をお読み頂ければ、ドルインデックスの理解度がグッと上がります。

ドルインデックスとは?を分かりやすく解説

ドルインデックスとは、米ドルの強さを表す指数です。

ドル=米ドル
インデックス=指数、指標

文字の通りで「ドル指数」なんて呼ばれ方をすることもありますね。

要するにドルインデックスとは、主要通貨に対するドルの強さを示した数値。
米ドル vs その他の主要通貨の結果を数値化したもの、というイメージでOKです。
ドルインデックスのイメージ
ドルインデックスが上昇すれば、他通貨に対してドルが買われていることを意味します。

米ドルは世界中で貿易の決済通貨として用いられており、米ドル無くして今の世界経済は成り立たない絶大的な存在です。

だからこそ世界中の投資家は米ドルの動向は常にチェックしています。

下記はドルインデックスの日足チャートです。
【参考リンク】 ドルインデックスチャート|Tradingview

▼クリックで拡大します
ドルインデックスの日足チャート

ドルインデックス上昇=米ドルが他の通貨と比べて買われている(強くなっている)
ドルインデックス下落=米ドルが他の通貨と比べて売られている(弱くなっている)

という非常にシンプルな見方でまずはOKです。
(※実際のトレードへの活用法についてはページの最後で解説しています)

ドルインデックスには種類がある?

ドルインデックスはいくつかの機関が算出していますが、主流はこんな感じです。

・ニューヨーク商品取引所(NYBOT)
・インターコンチネンタル取引所(ICE)
・アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)

この中でも多くの人が見ているのはニューヨーク商品取引所(NYBOT)のドルインデックスです。

先物商品として実際に売買されており、推移をリアルタイムで知る事ができます。
後ほど紹介しますが、ネット上で見れるドルインデックスのチャートはほぼNYBOTのものです。

一方FRBのドルインデックスは、1日1回の更新なのでリアルタイム性に欠け、トレードに活用し辛いというデメリットがあります。

それぞれの違いをまとめると、以下のようなイメージです。
ドルインデックスの種類

NYBOTはニューヨークにある先物取引所ですが、インターコンチネンタル取引所(ICE)の傘下となっているので、正式名称としてはICE Futures USとなります。
その為、ICEとNYBOTのドルインデックスは全く同じものという認識でOKです。

では何故、FRBもドルインデックスを出しているのか?

それはNYBOTとFRBとでは構成通貨(ドルと比較する対象通貨)が違うからです。
どちらもドルの相対的な強さを表す指数としての目的は同じですが、厳密には別物と言えます。

NYBOTとFRBのドルインデックスの構成通貨の違い
上記のように、ドルの強さを計るベースとなる対象通貨の数と中身が違うんです。

 

NYBOTのドルインデックスの特徴

NYBOTの分かりやすい特徴は、ユーロ成分が多めという事。

構成通貨は、FX市場における取引量の多い通貨ペアと概ね一致しています。
(※中国の人民元が入っていないのがFRBとの大きな相違点ですが)

下記は国際決済銀行(BIS)が3年毎に発表しているレポートの2019年最新版の抜粋画像です。

赤線が引いてある箇所が、NYBOTのドルインデックスの構成通貨です。
2019年にBISが発表した通貨ペアのシェア率
出典:Foreign exchange turnover in April 2019

メジャー通貨である豪ドルが構成通貨には入っていませんが、カナダドルと豪ドルを合わせて資源国通貨と捉えているのかもしれません。

米ドル/人民元(USD/CNY)は2013年以降、急速にシェアを拡大してきていますが、まだまだ人民元は国際的には通貨としての信用性は高くありません。(今後どうなるかは分かりませんけどね)

そうした通貨としての歴史の浅さや信頼性という意味で、NYBOTのドルインデックスには人民元が対象通貨から外れているという推測もできます。

NYBOTは下記に触れるFRBよりも『FX市場に即したドルインデックス』という印象です。

先物市場でも取引されておりリアルタイムで指数の変化を見れることからも、FXトレーダーが参考にするのに適しています。

 

FRBのドルインデックスの特徴

FRBの分かりやすい特徴は、人民元の成分が多めという事。

こちらはアメリカの貿易面に即した構成通貨と言われています。
(米中貿易戦争の影響で2019年の中国との取引額は減少していますが)

下記は米国際貿易委員会の発表を元にジェトロが作成した貿易統計です。

アメリカの主要国・地域との貿易額
出典:米国から見た米中貿易の動向(2019年1~4月)|JETRO

メキシコ、カナダ、中国、日本、ユーロ圏といったアメリカの貿易主要国が、FRBのドルインデックス構成通貨には順当に入っています。

FX市場よりも『アメリカの実体経済に近いドルインデックス』という印象です。

メキシコ、カナダはアメリカの隣国なので貿易量が多いのは当然と言えますが、こうして見ると米中の取り引き量の多さが目を引きます。

2018年は日本の約3倍弱もの取引額の差があります。
その差がFRBでの日本円と人民元の比率の差になっていますね。
(人民元:20.8%、日本円:7.5%)

繰り返しになりますが、NYBOTのドルインデックスとは異なり、こちらはリアルタイムで見れません。

知識として覚えておくことに意味はありますが、トレードの材料にはなりにくいです。
FX侍的には正直、FRBのドルインデックスはあまり気にしていません。

ドルインデックスまとめ

トレーダーが見るべきは、NYBOTのドルインデックスです。

・FX市場に即した対象通貨が選別されている
・リアルタイムで更新されている
・先物商品としてトレードされているのでテクニカル分析が機能する

上記のような特徴があるので、ドルインデックスのテクニカルを元に、トレードしやすい通貨ペアを見つけることも可能になります。

言い換えれば、勝ちやすい通貨ペアを見つけやすくなるって事です。

例えば下記のように、ユーロドルとの高い逆相関性はトレードする際のテクニカルとして活用できます。
ドルインデックスとユーロドルの日足比較

ドルインデックスが上昇トレンドであれば…
「どの通貨を売ってドルを買うか?」という考え方も持てるようになります。

世界の投資資金がドルに集まっているのか?流出しているのか?という視点は重要です。
米ドルを軸にした大きな枠での環境認識の後、各通貨ペアにブレイクダウンしていく、という視点が持てるトレーダーはまだまだ多くありません。

今回はドルインデックスとは?という基本的な解説でしたが、より実践的にトレードに活用する方法は下記の記事を参考にして下さい。

↑ 特にユーロドルをトレードする方は必見の内容です。
これまでドルインデックスを知らずにトレードしていた方は、見える景色が変わります。

 
◆ドルインデックス関連ページ◆
・ドルインデックスとは?を分かりやすく解説(←当ページ)
・ドルインデックスの実践トレードで使える見方を徹底解説
・ドルインデックスをMT4で表示するインジケーターDXY Dollar Index

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