8月の円高

8月に円高でドル円が下がりやすい3つの理由

FX侍です、こんにちは。

今回は多くの人が気にする「8月の円高アノマリー」について。

8月は円高になりやすくドル円が下がりやすい、って聞いた事がある人も多いと思いますが、その理由について解説します。

アノマリーとは、現代ポートフォリオ理論や相場に関する理論の枠組みでは説明することができないものの、経験的に観測できるマーケットの規則性のことです。

8月の円高以外に有名なアノマリーとして、セル・イン・メイや節分天井・彼岸底などがありますね。

そしてゴールドをトレードする人にとっては嬉しいアノマリーもあります。
下記で検証結果と併せて解説しているので参考にどうぞ。

8月は本当に円高になりやすいのか?

8月は本当に円高になりやすいのか、その実際のデータを見てみましょう。

下記は1994年以降のドル円月足チャートです。

▼ドル円月足(クリックで拡大します)
1994年以降のドル円月足チャート

94年以降でも8月が陰線になる確率が約62%。
直近30年では陰線になる確率が約67%となります。

データから見ても「8月円高説」はアノマリーとして認識してもいいレベルかと思います。

ではなぜ円高になるのか?その理由について解説します。

8月に円高となりやすい3つの理由

8月に円高となる理由は大きく3つ考えられます。
いずれも投機ではなく、需給が背景にあるのがポイントです。

理由1:アメリカ国債の償還

8月中旬にアメリカ国債の償還日を迎え、その資金が円買いの要因となります。

要するに定期預金の満期のようなイメージです。

米ドルで買ったアメリカ国債から戻ってくる元金・利子は当然ながら米ドルですが、米ドルを日本円に変えるのでドル売り・円買いのフローが行われます。

理由2:日本企業の中間決算

日本企業は3月決算が多く、四半期決算で9月は中間決算の節目となります。

海外でも利益を上げる日本企業も多く、9月前になると海外で得た利益を日本円に変える動きが多くなります。
この円転の動きは特に3月に顕著で意識されますが、9月を前にした8月にも当てはまると考えられています。

理由3:お盆休み前の輸出企業の動向

日本特有の夏休みといえばお盆休み。
多くの企業で休みに入りますが、この期間中に輸出企業のドル売りオーダーが多く出されます。

8月の夏枯れ相場

8月は日本ではお盆休み、そして海外でも夏季休暇を取るケースもあります。
そうした状況から、夏枯れ相場とも言われますよね。

特にドル円の場合は、日本の参加者が減るのが分かっているので、そこを投機筋に狙われている気もしますw
去年2019年8月のドル円は、突発的に急騰・急落するので非常にやり辛い相場でした。

▼2019年8月のドル円1時間足(クリックで拡大します)
2019年8月のドル円1時間足

トレーダー仲間でも、この急騰急落の動きに翻弄されて、調子を落とした人もいます。

これが8月だからという理由かは分かりませんが、参加者が減って流動性が低くなる時にクラッシュ的な動きをしやすくなるというのは頭に入れておくべきです。

2020年の8月はドル円は下がる?

今年2020年8月のドル円は、上述の理由以外にも下がりやすい要因は控えています。

・11月3日のアメリカ大統領選挙
・FRBによるドル大量供給+低金利
・米中対立の激化

もともと大統領選の前は相場は荒れやすいですが、特に今はコロナ対策でFRBによる異次元の金融緩和でドルの供給量が爆発的に増えて金利も下がっている状況です。

つまり、ドルを積極的に買う旨味がなく、ドル安になる要因が揃っています。

FX侍が信頼するバカラ村氏・西原氏も長期的にはドル安の見解で一致しています。
なお、両氏のメルマガは下記でレビューしているので、気になる方はチェックして下さい。

→バカラ村マニアが有料メルマガを評価
→西原宏一の有料メルマガ「シンプルトレード」を評価

 

そして中国を取り巻く国際情勢は非常にリスクが高い状況となっています。
米中関係は貿易戦争からステージが1つ上がった感もあります。

領事館の閉鎖や中国の南シナ海への進出に対しての介入など、地政学リスクは着実に高まっています。

 

こうした要因から考えれば、ドル円は下降する確率が高いと言えます。

ただし先程も触れたように、8月の市場参加者が減ったのを狙う投機的な動きが起こる可能性が高いという点には注意が必要です。

8月円高アノマリーだけではなく、その時々で意識されている材料も見ながらトレードに活用して頂ければと思います。

材料次第では円以外の通貨が大きく動くことも考えられます。
通貨の強弱については、下記で紹介したようなツールを使うと分かりやすいですね。

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