2024年のゴールド価格が上昇した理由は?今年の見通しは?

FX侍です、こんにちは。

ゴールドが史上最高値を更新しましたね(・∀・)
1月31日に過去最高値の2800ドル超えを記録しました。

▼ゴールド日足(クリックで拡大します)
ゴールド日足

ほんと去年からのゴールドの盛り上がりは凄まじいものがありますね。

 

ちなみに去年1年間でゴールドはこんなに上昇しています。

2024年1月2日:2058.88ドル
   ↓
2024年12月31日:2623.81ドル

と言っても…
数字だけじゃピンと来ないと思うので、分かりやすく年足チャートで見てみましょう。

▼ゴールド年足(クリックで拡大します)
ゴールド年足

明らかに24年だけ長さが違いますw

今考えるとゴールドが400ドルそこそこの時代があったなんて信じられませんね( ´θ`)
(まぁそれを言い出したらビットコインも同じですがw)

 

話を戻して…

どうして2024年のゴールドは強烈に上昇したのか?
そして2025年の見通しについて簡単に解説しました。

ゴールドに知見を持つ方には当たり前の話ですが、改めて復習しておいてくださいね。

 

2024年のゴールドの上昇要因は?

ご存知の方も多いと思いますが、これがゴールドの基本概要。

使用用途:宝飾品、工業用品、医療用品、金融資産
埋蔵量 :現在の採掘ペースが続くとあと10数年で枯渇する可能性も

この限られた資源を各国の中央銀行が買っていたんです。

24年年初〜11月30日までの金購入量の上位5カ国はポーランド、トルコ、インド、中国、アゼルバイジャン。

その他多くの中銀がゴールドを買っていたという状況です。
(逆に売り越していた中銀も数少ないながらあります)

この中銀の買いが24年の金価格の推進力となった側面は大きいです。

 

ではなぜ中央銀行はゴールドを保有するのか?

その理由はゴールドの価値が普遍だからです。

例えば…

今現在、ゴールド3キロで交換できる不動産があるとしましょう。
20年後も50年後も、ゴールド3キロでほぼ同じ状態の不動産と交換できるんです。

これが現金の場合はどうでしょう。

20年前に3000万円クラスだった不動産なら、昨今の不動産価格上昇の煽りを受けて今では5000万円以上になってますよね。

もちろん立地によりますが「金額」というのは経済に合わせて上下します。

20年でほぼ倍増した不動産。
給料も20年で倍増して…ませんよね。

しかしゴールドは20年前でも今でも基本的に価値が変わらないのが大きな特徴であり、これが「ゴールド=安全資産でありインフレにも強い」とされる所以です。

イメージ的には「価値が変わらない現金」と同じようなものですね。

 

中央銀行がゴールドを買っていた理由は『脱ドル化』の流れ

米国債やドルはゴールドと並んで安全資産とされ、各国中銀は外貨準備として大量に保有してきました。

しかしロシア・ウクライナ戦争によって風向きに変化が訪れました。

アメリカやEU、G7などがロシアの資産凍結やロシア主要銀行のSWIFT排除といった経済制裁を課したんです。

ロシアが念のために…という名目で保有していたドル資産が使えなくなりました。

ちなみに日本もロシアの資産凍結をしてます。

資産凍結とはひと言で言えば、資産を自由に動かせなくするということです。
日本政府が発表した資産凍結は、具体的には、ロシア中銀が日本国内で行おうとする取り引きを許可制にする形で行います。
ロシア中銀が持つ円は、日銀に預けられています。
ロシア中銀が円を引き出そうとした場合、日銀は国の許可を得る必要がありますが、国が許可をしない。
このためロシア中央銀行は自分の持っている資産なのに自由に動かせない、つまり“凍結”された状態になるということなんです。 (引用:ロシアへの制裁 中央銀行の“資産凍結”ってどういうこと?)

この『ドルの武器化』を目の当たりにしたBRICS諸国やグローバルサウスは、脱ドル化の一環として普遍的価値を持つゴールドを買い進めたという訳です。

おいおい…米ドルを無価値にされるってヤバくね?
だったらアメリカの思惑に左右されないゴールドの方が安全じゃね?

という思惑が働いても不思議じゃありませんよね。

世界中の国が親米という訳でもありませんし。

こういう背景があり、実は2023年から多くの国の中央銀行はゴールドを買い進めていたんですね。
(23年は計1000t以上を購入、24年はまだ未確定ですが500t以上が買われたと見られています)

 

米金利を無視して上昇する強さ

本来はアメリカ10年債とゴールド価格は逆相関の動きをします。
(米10年債上昇=ゴールド下落、米10年債下落=ゴールド上昇)

しかし24年は本来の逆相関ではない強い動きが目立っていました。

▼ゴールドと米10年債(クリックで拡大します)
ゴールドと米10年債の相関

上記チャートには相関係数を示すオシレーターを入れてます。
(オシレーターが上に触れれば正の相関、下に触れれば逆相関という見方です)

こうした強い上昇の背景には各国の中央銀行の存在もあったでしょうが、それだけではありません。

何度も新高値更新のニュースが流れる相場だったので、投機目的のトレーダーが値動きを加速させていた側面も当然あります。

そして資産形成の一環で安全資産のゴールドを購入する人たちも増えてきています。

最近ではポートフォリオの15%ほどをゴールドに分散することが推奨されおり、止まらない円安に危惧して金を購入する日本人も増えています。(この場合はCFDではなく積み立てなどが多いです)

解消しない地政学リスク、アメリカの政治リスクや政府債務の上昇、FRBの利下げなどゴールドの上昇要因は様々あった中で、こうした買いが限られた資源であるゴールド価格を押し上げていったんですね。

 

2025年のゴールドの見通しは?

2025年、最も大きなリスク要因はトランプ大統領でしょうねw

トランプ関税と呼ばれる貿易戦争。

関税はアメリカ国内に入ってくる輸入品の金額アップ(=インフレ率上昇)に繋がるので、インフレに強い価値の普遍的なゴールドに資金が集まる可能性も考えられます。

しかしインフレ率が高止まりとなれば、FRBの利下げ停止=米金利も高止まりも考えられ、これはゴールドにとっては下げ圧力となります。

つまり…関税の行方は推移を見ないと分かない部分も多いですし、その時々の相場状況によってもゴールドへの反応は変わります。

当たり前っちゃ当たり前ですがw

 

とはいえ西側諸国vsBRICS・グローバルサウスの構図が続く限りは、中央銀行のゴールド買いの流れは続くとみられるので、その点では下値はある程度は支えられると考えられます。

安くなれば単純に少ないコストで買えますからね。

FX侍も含め、基本的にゴールド価格は上方向を予想する人が多いです。

以前も書きましたが…
天下のゴールドマンサックスは2025年末:2910ドル、2026年の第2四半期:3000ドルと予想しています。
(2025年1月17日時点)

1つの大きな節目として3000ドルが意識されるのは間違いないでしょう。

上下に波を打ちながら大局は上と見るのが2025年のゴールドの見通しです。

 

あ、そうそう。

先ほど載せたゴールドと米10年債のチャートですが、本来の逆相関ではない期間にゴールドが上昇していれば、それは単純にゴールドの需要が高まっている目安となります。

▼ゴールドと米10年債(クリックで拡大します)
ゴールドと米10年債の相関

相関が全てではありませんが、こうした考え方を持っているだけでも狙い方のバリエーションが増えますよ。

ホント言えばもっとファンダメンタル的な分析は色々あるんですけど、不特定多数の人が見られるブログではこの辺で…w

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