リスクオフなのにゴールドが下がるのはどうして?

リスクオフなのにゴールドが下がるのはどうして?

(※当記事公開後に下落から大幅上昇という流れを見せたので、その背景を4/11に追記しました)

 

FX侍です、こんにちは。

メルマガでも「ボラに気をつけなはれや!」とお伝えした通り、いろいろエグい動きをしてますね。

特に最近のゴールドはやべー動きになってます。

▼ゴールド15分足(クリックで拡大します)
ゴールド15分足

感覚的にはいつもの倍ぐらいは動いてますね。

とりあえず本日も127.5pipsを取ってますが、いつもよりロットを落としてるので利益がウハウハという訳じゃありませんw

獲得pips数

 

ボラが大きいのがわかってる時はロット調整するのは基本です。

そんな時に通常運転で逆行したら被害が大きくなりますからね。
(※基本をわかった上で通常運転できるスキルがあれば話は別)

ロット調整すべき局面については下記で解説してるので参考にどぞ。

 

ちょっと話がそれちゃいましたが、最近のゴールドの値動きを見て「あれ?」と思っている方もいるはず。

リスクオフなのに何故ゴールドが下がってるの?って。

これまでゴールドはリスクオフの時に買われるのが定説でしたが、なぜだか最近は売られている状況。

というわけで、今回はその裏側を解説します。

 

リスクオフなのにゴールドが下がる要因

結論からいうと、下記の1枚のチャートが説明してくれています。

▼ゴールドと米株の比較チャート(クリックで拡大します)
ゴールドと米株の比較チャート

黄色の縦線を引いたあたりからの動きに注目です。

ゴールド、NYダウ、SP500の全てが下落に転じていますね。

VIXも一般的に意識される20を余裕で超えて、30も突き抜けて猛烈に上昇してます。

発端は4月2日に発表されたトランプ関税。
世界各国に相互関税を発表したことで、猛烈なリスクオフとなりました。

一応、関連記事のリンクを置いておきますね。
参考:トランプ大統領 相互関税日本に24% 一律10%関税【一覧表も】

 

相互関税でリスクオフになる理由をちょーザックリ解説すると…

・報復関税があれば貿易戦争に発展するよね
・貿易量が減って世界的な景気減速になるよね
・輸入品の値段が上がるからインフレに繋がるよね
・これまでの世界秩序がグチャグチャになるかもね

といったような理由で世界中に結構なショックが起こり、これまで最強だったアメリカ株も総崩れ。

▼アメリカの主要株価と日経平均株価(クリックで拡大します)
アメリカの主要株価と日経平均株価

こうした大暴落が起きた際には、我々個人トレーダーだけでなくレバレッジをかけて取引している大口も大きなダメージを負います。

強制ロスカットを避けるために証拠金を補填する必要が出てくるんですね。

いわゆる「マージンコール」です。

これまで上昇を続けていたゴールドを利確して補填に充てる人が増えるので、リスクオフでもゴールドが下がるんです。

これが最もイメージしやすい理由です。

後は先行き不透明感もあるので、キャッシュポジションを厚くする意味もあるでしょうね。

 

下記はVIXの推移です。

▼VIX指数の推移(クリックで拡大します)
VIXチャート

VIXはSP500のボラを元に算出している数字で、別名「恐怖指数」と呼ばれています。
リスクオフの度合いを計る目的で見られ、値が大きくなるほど市場の不透明感が高いとされます。

上記チャートを見ると、現在は2020年3月のコロナショックに次ぐ値になってるのがわかります。

要するに、近年では稀に見るほどリスクオフムードが高まっている状況です。

こうした先行き不透明感が極めて高い状況では、リスクオフでもゴールドは売られて下がるんですね。

ゴールドの値動きでリスクオフの度合いを推し量るという見方もできます。

 

セオリーが通用しない値動きもある

ゴールドはリスクオフの時には買われるというセオリーは今でも機能はしますが、例外もあるという点は覚えておきましょう。

特に今回のトランプ関税に関しては、事前に「10%前後になるのではないか」との報道があっただけに、実際に出てきた数字のインパクトが大きくて市場がパニックに陥ったという側面もあるでしょうね。

その分だけ反動が大きくなってリスクオフが加速した…みたいな。

 

後は…単純にセルザファクトという見方もできます。

セルザファクトについては以下を参考にどぞ。

 

個人的には、セルザファクトに大口の損失補填でのゴールド売りが重なったことが最近の大幅下落の背景ではないかと見ています。

特に最近の相場環境では『売りが売りを呼ぶ展開』が起こりやすくなっているんです。
その要因は下記で解説したリスクパリティ戦略ですね。

こうした背景もあって特定のアセットが下落した時には下げが加速しやすくなっており、その影響がゴールドにも波及するということ。

 

最後のまとめ。

リスクオフでゴールドが上昇する局面も当然ありますが、それは相場にとって適度なリスクオフの状態であり、なんちゃらショック級のリスクオフでは、今回解説したような背景でゴールドも下がる。

という訳です(・∀・)

 

4/11追記 その後ゴールドが大幅上昇した背景は?

この追記を書いてる時点でゴールドは史上最高値を更新しました。

▼ゴールド4時間足(クリックで拡大します)
ゴールド4時間足

4月3日(木)〜4月7日(月)まではゴールド下落。
4月8日(火)以降はゴールドは反発して大幅上昇。

目まぐるしく展開が変わりますが、この間でリスクオフムードが解消されたのかといえばNoです。

正確には4月9日に報復関税をしなかった国に対して相互関税を90日間延期というニュースで一時的にセンチメントは改善しましたが、結局それも続かず相変わらず相場のムードはリスクオフに傾いています。

 

ではなぜゴールドの風向きが変わったのかといえば…

今の状況にマッチした安全資産を求める相場になったからです。

 

4月10日あたりから「米株安・債券安・ドル安」のトリプル安の状態が続いており、アメリカの信用が揺らいでいる状況です。

まぁ、わからんでもないですよねw

ドルインデックスも瞬間100を割れましたし。

金融不安脱ドル化の流れが加速していると思われ、こうなると安全資産に資金が流れます。

本来であれば米国債が世界ナンバーワンの安全資産だったんですが、そのアメリカの信用が揺らいでいるのでゴールドが買われているという流れでしょう。(他にスイスフラン・円も買われています)

ざっくり直近のゴールドの下落から上昇の流れをまとめるとこんな感じですね。

関税のゴタゴタが引き起こした「米株・債券・ドルのトリプル安」が改善しない限り、安全資産を求める相場状況は続きそうな雰囲気です。

 

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