FX侍です、こんにちは。
今回は脱初心者企画。(そんな企画あったっけw)
移動平均線の実践的な見方と設定についてざっとおさらいをします。
移動平均線は世界で最も使われているインジケーターです。
Youtuberレベルではなく世界的にもトップクラスのトレーダーでもチャートにMAを表示しているほど。
しかし意外とぼんやり見ている人も多いはずなので、実践的な見方を改めて復習しようという趣旨です。
また、設定に悩む方も多いのでそこら辺も解説しました。
移動平均線は正しく使えば強力なインジケーターになります。
実践での正しい見方を覚えていってください。
なお当記事は全てMT4を用いて解説します。
移動平均線の実践的な見方
移動平均線の見方は大別すると2つしかありません。
・トレンド判断としての見方(=フィルター)
・エントリータイミングとしての見方(=トリガー)
そもそもトレードというのはフィルターとトリガーで成り立っているので、どちらの見方で使うか?しかないんですね。(フィルターとトリガーの両方で見てもOK)
今までぼんやり見てたかもしれませんが、どちらかの見方をしていたんですよw
ではそれぞれの見方の注意点を解説します。
トレンド判断(フィルター)としての見方
移動平均線をトレンド判断に使う見方はいくつか種類があります。
あ。移動平均線って毎回書くのも面倒なので、ここからはMAと書きますねw
最もシンプルなもので言えば、下記のようなMAと価格の位置関係ですね。
▼1本の移動平均線でトレンド判断をする例(クリックで拡大します)
※MACDは縦幅調整のために入れてあるだけです
上記の場合、SMA50の上か下かで狙いを決めるイメージですね。
この時のポイントはMAの期間です。
・MAの期間を短くする=トレンドが変わる回数が増えるがその分だけ騙しも増える
・MAの期間を長くする=トレンドが変わる回数が減るがその分だけ騙しも減る
えぇ…じゃあ具体的に期間はどれぐらいがいいの?って悩みますよねw
1回のトレードで2〜3pipsを狙うようなスタイルであればMAの期間は短い方がいいですし、デイトレードであればMAの期間はある程度長い方がいいです。
トレンドは1時間足を見て、下位足でエントリータイミングを測るみたいなMTF分析をする方は1時間足でSMA20とかでもいいでしょう。(MTF分析は必須じゃありませんけどね)
ちなみにFX侍はデイトレードが主なスタイルなので、仮に1本のMAでトレンドを見るなら中期ぐらい(50前後)という感覚です。
この1本のMAでトレンド判断する見方はシンプルがゆえ、トレンドとレンジの見極めが初心者の方には難しい面もあります。
そこで以下のようなMAの本数を増やす見方が出てきます。
こちらはよくある3本のMAでトレンド判断する見方です。
▼3本の移動平均線でトレンド判断をする例(クリックで拡大します)
このスタイルでトレードされている方はそこそこ多いんじゃないでしょうかね。
3本のMAの並び順でトレンド判断とレンジの見極めもできちゃうのが特徴です。
・短期>中期>長期と並んでいれば上昇トレンド
・長期>中期>短期と並んでいれば下降トレンド
・それ以外はレンジまたは方向感なし
MAの並び順を見ればトレンド転換にも気づけるので、初心者の方でも使いやすい見方でしょう。
期間についての決まりは特にありませんが、短期・中期・長期という3本がバランス的にお勧め。
イメージ的には上記チャートのように短期の2倍が中期、3倍が長期みたいな感じです。
応用的な使い方として、短期25・中期50・長期200みたいな設定で、短期と中期の2本で短いトレンドを見て、長期の200と価格の位置関係で長めのトレンドを見るという使い方もできます。
では次にトレンドを見る上で重要なポイントを補足しておきます。
上か下かの方向性が重要なのは言うまでもありませんが、トレンドの強さやトレンド終盤の見極めも重要です。
この辺りが苦手な人も意外と多いんじゃないでしょうか。
というわけで、MAを使った一歩進んだ見方を解説しておきます。
▼移動平均線とトレンド判断のワンポイント(クリックで拡大します)
四角で囲んだ場所が価格がMAから離れていく強いトレンドです。
(ボリバンで言えばエキスパンションからパラレルになってる部分ですね)
MAはこれまで解説したように並び順や価格との位置関係だけでなく、角度や価格との乖離も重要なポイントです。
トレンドが出てMAから離れていった価格は、いずれMAに引き寄せられて戻っていきます。
(MAが価格に追いつく、という表現もできます)
そのトレンドの終焉もMAと価格の乖離に着目することで見えるようになります。
トレンド終盤でエントリーして高値や安値を掴まされないためにも覚えておいた方がいいですよ。
参考になる記事を置いておくので併せて参考にしてください。
最後にMAでトレンド判断する見方の参考になる記事を置いておきます。
自分に合う見方を見つけるのにお役立てください( ・∇・)
エントリータイミング(トリガー)としての見方
MAをエントリートリガーに使う見方は以下の3つが一般的です。
・MAのゴールデンクロス、デッドクロス
・MAを価格が上(または下)に抜ける
・MAで価格が反発する
この中で最もポピュラーなのはMAのクロスです。
以下は短期と中期のクロスがエントリートリガー、長期でトレンドを見ています。
▼移動平均線のクロスでエントリーする例(クリックで拡大します)
上記のような設定の場合、トレンド方向と合致するMAクロスの位置は矢印で示した2ヶ所のみ。
反応がSMAより早いEMAを使っても2ヶ所だけ…
これではちょっと使えませんね。
というわけで、短期と中期の期間を短くしてみました。
▼移動平均線のクロスでエントリーする例(クリックで拡大します)
はい、一気にMAクロスの場所が増えました。
2つの違いを見比べるとわかるように、MAクロスをトリガーとする場合はMAの期間を短くしないとクロスする頻度が少なくなります。
単純にクロスの回数が多ければいいという訳じゃありませんが、クロスの頻度を減らしたからといって信頼度が上がる訳でもありません。
MAはそもそも値動きに対して遅れて動く性質があります。
そのためMAの期間が長いほどクロスしたのはトレンド終盤だった…というケースも当然あります。
…ってことは、MAのクロスはトリガーには使えないの?
と思われるかもしれませんが、ご安心ください。
そんなことはありませんw
MAの傾きを加味するだけでも下記で紹介したような結果も出ます。
そしてHMAという価格追従性の高いMAを使ったクロス手法も下記で紹介しています。
重要なのは「使い方」です。
フィルター(トレンド判断)の精度によってもトリガーとなるMAクロスの信頼度は大きく変わります。
こう言っちゃ何ですが…
トレンド判断の精度が高ければ、ぶっちゃけトリガーはMAクロスにこだわらなくても全然OKです。
MAクロスがダメってことではなく、「他のトリガーを知らないから何となくMAを使ってる」というのは勿体無いですよってこと。
エントリートリガーは下記で紹介したようなものもあるんですから。
と言いながらも、MAはクロス以外にもトリガーとして使いやすいのは間違いありませんw
MAを使うトレード手法は下記にまとめてあるので是非チェックしてください。
(多分モレはないはずですが相当数あります)
移動平均線の設定について
MAで設定できる項目は意外と多いもの。
下記はMT4での設定画面です。
選択肢が多いだけに、どこをどう変更すればいいのか迷う人も多いです。
しかしここで変更するのは、主に「期間」と「移動平均線の種別」の2つです。
(その他の項目については後ほど触れます)
まずは「期間」を変えると何が変わるのかをおさらいしましょう。
下記は単純移動平均線(SMA)の期間を4パターン表示したものです。
▼移動平均線の期間による見え方の違い(クリックで拡大します)
期間は「どれだけの期間の平均値をMAとして表示するか?」という意味です。
期間を短くすれば短期的な値動きを表しますし、期間を長くすれば長期的な値動きを表します。
ところでMAの期間ってどんな数字を入れればいいの?
と迷う人が多い部分だと思いますが、よく使われる期間は下記で解説したものです。
では次に「移動平均線の種別」を変えると何が変わるのかおさらいしましょう。
下記は全て期間20です。
MAの種類を変えると「価格への追従性」が変わります。
MAの反応速度と言い換えた方がわかりやすいかもしれませんね。
4種類もあると迷っちゃう…って人が多いと思いますが、基本的によく使われるのはSMA(単純移動平均線)とEMA(指数平滑移動平均線)の2つです。
SMAはゆっくり、EMAは早いってイメージしておけばOKです。
では次にちょっとマニアックな「表示移動」について。
表示移動を使うと下記のような見え方になります。
表示移動とは、未来と過去にMAをズラして表示させるという設定です。
(ローソク足何本分をズラすかの数字を入力します)
そんなのいつ使うの?と思われるでしょうが、通常は使う機会はありませんw
しかしFXの世界には表示移動を巧みに使う人もいるので、下記のような手法も存在してるんですね。
基本的にはディナポリ手法以外で表示移動は使う機会はありませんが、上記のシングルぺネトレーションが活躍する機会は意外とあるので覚えておいて損はありません。
では最後に「適用価格」について。
適用価格を変更するのは「特殊な目的を持った上級者だけ」と思ってもらってOKですw
恐らく適用価格の選択肢を見てもチンプンカンプンになるはず。
手法によってHighとLowを使うこともありますが、よっぽどマニアックな方でなければあえて触れる必要はありません。
ハッキリ言いますが…
適用価格の選択肢の違いを理解したからといって、トレードスキルの向上には直結しません。
検索すれば答えは出てくるでしょうが、注力すべきはそこじゃないってことを理解した方がいいですよ。
恐らく使ったことがない人が大半の「レベル表示」についても補足しておきます。
MAから指定のpips(入力はポイント)数だけ離れた場所にMAをコピー表示するという機能です。
例えば500と入力すれば上に50pips離れた場所にもう1本のMAが表示できるというもの。
こういう感じです。
個人的には「乖離幅」を見るときに使いますが、下記のような見方もできます。
レベル表示を知らなきゃダメ!というほどではありませんが、知っておくと意外と便利に使えるものという印象ですね。
まとめ
MAは世界で最も使われているインジケーターであり、FX侍も必ずチャートには表示しています。
世界的なトレーダーも見ているほど、信頼性の高いインジケーターなんです。
しかしただ表示させてぼんやり見ているだけでは意味がありません。
・トレンド判断(フィルター)
・エントリー判断(トリガー)
どちらの見方をするのか(両方でもOK)しっかり目的意識を持ってMAを活用してください。
さらっと読んだだけで全てを理解するのは無理だと思うので、じっくり時間をかけてリンク先も含めて読んでみるといいですよ。
当記事をしっかり理解すればそこそこのMAの使い手になれるはずです( ・∇・)
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